――「来場者全員が趣旨を理解しているか疑問」という声がありますが。

松原:中には趣旨を理解していない来場者もいると思います。ただ、できるだけ多くの人に趣旨を理解してもらうためには、まずはイベントに興味を持ってもらうことが大切です。変わるきっかけは人それぞれなので、たくさんの仕掛けを会場の中に散りばめたいと思っています。後は一人ひとりの感受力に委ねるだけです。気付くかどうかだけできっかけさえあれば、すべての人が変わることができると考えています。

――今年のイベントを通して特に良かったことは何でしょうか。

松原:過去最高額の8,234,629円もの義援金が集まったことです。今まで、楽しい音楽のステージと震災への意識というテーマの温度差が課題だと感じていました。今年はそのギャップを取り除くため、アーテイストが震災について語るトークステージを設けました。

震災について活動されているアーテイストや考え方に共感できる人が話し、活動の紹介などをしました。また、阪神淡路大震災がきっかけで設立された『人と防災未来センター』の職員に震災や減災の取り組みなどを語ってもらいました。好きなアーテイストの震災への考えや復興への取り組みを直接聞くことは、教科書やメディアから得る情報より心に響くのではないかと思っています。

――イベントを継続していくために必要なことは何でしょうか。

松原:関わる人すべてにとってプラスになるイベントにすることです。震災復興をしたいという気持ちは大切ですが、誰かが無理をすることになってしまうと続かない。協賛企業にとっても、来場者がそこの企業を選んで買ってくれることでメリットがあればと思います。出演料がないのにも関わらず参加してくれるアーテイストには、イベントに出演することで少しでも有名になって欲しいです。

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