元日本代表の平野孝さんもゲストで来ており、「アイマスクを付けると、いつも人の声を漠然と聞いていたことが分かった」と印象を話した。
ブラインドサッカーの魅力は、チーム全員が助け合うことにあるが、視覚障がいを持つ人に、自信を与えることもそうだ。生まれつき視覚障がいを持つ内田さんは、「健常者と一緒にできるので、障がいの有無に関係なく、フェアに思い切り戦い合える。ピッチ上では、誰を気にするわけではなく、自由に動き回れる」と話す。
同大会は、サッカー好きな25~30歳の社会人7人がボランティアで集まり企画した。呼びかけ人である荒昌史さんは、高校時代、サッカー部の副キャプテンを務め、埼玉県でベスト8まで行った実績を持つ。「サッカーの人を引き付ける力はソーシャルに生かせる」と話す。
「サッカーによる社会貢献」のコンセプトを思いついた経緯は、東日本大震災直後に行われた日本代表とJリーグ選抜のチャリティーマッチでの三浦知良選手のゴールにある。「小学生から見てきたカズのゴールに、自然と涙が出てきた」と荒さん。震災後、何かできないかと思っていた荒さんは、このゴールをきっかけに、動き出す。
2012年9月、福島県で開催された横浜FC主催のJ2公式戦「福島魂マッチ」のサポートなどにも携わった。仲間を集め、コロカップも運営している。第一回目は、今年6月に開催され、ゲストに東北支援もする、元日本代表の加藤久さんが訪れた。
大会運営費は、協賛企業(アズパートナーズ、TRコンサルティング、オールオートバックスセブンユニオン)からまかなうため、2000円の参加費は全額寄付となる。今大会の寄付先は、福島の復興支援かブラインドサッカー協会への支援のどちらかだ。参加者が選べる仕組みとなっている。
「サッカーはソーシャルビジネスと相性が良い」と荒さんは見る。「感動させ、共感を生み出す力は国を超えても、通用する。サッカーの感動を、自分以外の誰かに伝えていきたい」と話す。次回コロカップは年末に開催予定だ。