富山県では一風変わった歴史をもった体験がある。かつて住民の反対運動から始まり、いまや夏の風物詩となった、「草刈り十字軍」という活動だ。県内各所で草刈りをするというシンプルな内容だが、現在では全国各地から参加者が集う人気の活動だ。

1974年、富山県下の造林地への除草剤空中散布を止めるため始まった「草刈り十字軍」運動。反対するだけでなく「全国の若者たちへ呼びかけて山林の下草を刈る」という対案を実践することで、農薬がいらないということを証明しようと地元有志が立ち上がった。

当初は「いまどきの若い者にできるはずがない」といわれていたものの、1年目に250人を超える参加者があり、見事200ha近くの下草刈りを達成したという。この事例は、それまでの住民運動の流れを変え、「森林ボランティア」の先駆けとなった。また、1997年には同名の映画化もされたこの運動は、その後も継続的に実施され、今年の夏で38年目を迎えた。

参加者の評価も「ここへは毎年、心の洗濯に来ているんです」や「毎年、同じことの繰り返しのような活動でも、毎年新しい宝物をもらって帰ります」とどれも高い。一度参加するとリピーターが多いことも特徴で、なんと20回も参加しているというつわものも。来年の夏には、あなたも「十字軍」に参加してみてはいかがだろうか。(オルタナS 高橋 遼)

◆この地域のおすすめポイント
1.38年も続く伝統的なイベント
2.映画化もされたほど、富山では有名な活動
3.リピーターが非常に多く、達成感がすごい!

◆詳細はこちら!
草刈り十字軍運動本部
http://www17.plala.or.jp/noudoukan/