D×Pは2012年6月に今井さんと、共同代表である朴基浩さんにより設立された。提携している私立の通信制高校で「クレッシェンド」という全4回のキャリア教育プログラムを行っている。
授業では「コンポーザー」と呼ばれる18歳から39歳までの大学生や社会人がボランティアで集い、生徒と信頼関係を築きながら長い時間をかけて対談を重ねていく。少人数制にこだわり、生徒10人に対してコンポーザーとスタッフが計8人で授業が行われる。
コンポーザーの失敗体験を語ることで、生徒にも同じように「自分も乗り越えられる。自分もやればできる」ことを知ってもらい、ともに学ぶことを目的としている。私立の通信制高校と提携し単位化されるため、生徒には必ずクレッシェンドへの参加を義務づけている学校もある。
「進学でも、就職でも、なにを選択してもいい。けれど進路を決めないまま終わらないでほしい」と今井さん。とはいえ、就職を希望していても、不況のなかでなかなか内定を貰えない若者は多い。
この状況を打開するため生徒を「できない」からクレッシェンドの授業を通して「やってみたい」にすることが使命だという。4回の授業終了後も、支援者からの寄付で高校生のインターンシップへの派遣やアートプロジェクトの開催などを通し、引き続きサポートしている。