——これまでに正職員としての声も掛かったとのことですが、時限的な仕事を選んだのはなぜでしょうか。
芳島:正職員は安定という意味では魅力的ですが、その先には自分が求める未来はありませんでした。当然、組織の人事の決定に従うことになりますからね。時限的な仕事だからと言って、仕事に対するやりがいが変わるわけではありません。これまでの人生に悔いはないですね。
——将来の夢を教えて下さい。
芳島:近い将来、大学などの教育機関で、国際協力業界で活躍できる人材を育てたいです。その際、理論だけではなく、現場での経験も交えて授業を行いたいです。同時に、現地の人々と協力しているNGOに関わっていくか、自分でNGOをつくりたいですね。
——最後に、「やりたいことがわからない」と言う人がいたら何を伝えますか。
芳島:とにかく途上国と呼ばれる国に飛び込んで欲しいです。海外に行くのが難しければ、日本以外の習慣や文化に触れるイベントに参加してみて下さい。当時小学5年生だった僕のときのように何かしら感じるものがあるはずです。
芳島昭一(よしじま・しょういち)
1966年兵庫県生まれ。国際協力系の仕事に就きたいという思いを持ち続けて偏差値を30から70にまで上げ、関西外国語大学英米語学科に入学。在学中カリフォルニア州立大学チコ校に1年間交換留学。卒業後はリクルート系列の会社に入社するも8カ月で退社し、在フィジー日本国大使館、外務省大臣官房APEC大阪会議プレス準備室、青年海外協力隊、インドネシア国地域総合開発実施支援プロジェクト・チームリーダー、インドネシア国総選挙支援JICA専門家、インドネシア国地方貿易研修・振興センタープロジェクトJICA専門家、JICA専門家養成研修「農村開発コース」サブリーダー、JICA「東部インドネシア地域開発プログラム」プログラムオフィサー、外務省国際協力局政策課、国際NGOプロジェクト・マネージャー(ザンビア駐在)、同NGOによる東日本大震災緊急支援など、様々な経験を経て、現在、JICA二本松青年海外協力隊訓練所勤務。また、JICA事業に携わりながら、40歳の時に東京外国語大学大学院博士前期課程修了(国際学修士号)。将来の夢は、教壇に立ち、国際協力に携わる人材を育成していくこと。