米国の女子高校生がハイチ共和国に学校を建てようと動いている。同国では、就学年齢(6~11歳)の児童の2人に1人が小学校に通えずにいる。教育格差は経済的格差につながっており、その連鎖を止めるため、高校生たちは協力を呼びかけている。(留学ソムリエ代表=大川 彰一)

仲間たちと会議するTierraさん

仲間たちと会議するTierraさん

ハイチ共和国は、中央アメリカの共和制国家で、アメリカ合衆国の南、キューバの隣に位置する。ハイチ国民の非識字率は約39%。教育普及率の低さは社会的・経済的な足枷となっていて、就学年齢(6歳~11歳)の児童の45.9%しか小学校に通えずにいる。(出展:外務省ホームページ キッズ外務省 世界の学校を見てみよう!ハイチ共和国より2012年12月)

アメリカのワシントン州にあるNPO団体Eastside Global Youth(EGY)では、そんな現状を打開すべく「ハイチに学校を建てようプロジェクト」を行っている。

■きっかけは一人の女子高生

ワシントン州の高校に通うTierra Umi Wilsonさん(17歳)は、そんなハイチの現状をなんとか打開したいと、現地の中学・高校生とともに活動を始めた。もともと彼女は発展途上国の女性への教育支援に関心があり、教育支援プロジェクトとして学校を建てようと考えた。支援先の選定では、就学率や学校の数、自然災害の被害地域や現地のニーズなどを注意深くリサーチし、ハイチに決めた。

彼女、「このプロジェクトを進めるにあたって、貧困や教育の不足、性差別などの負の連鎖から子どもたちを救いたいという思いがいちばん強いです」と言う。NPOを設立する際に苦労したことは、意識を共有できる仲間を集めることだ。忍耐強く人選した結果、現在では9人の学生と社会人も巻き込んで、活動を行っている。

地域のボランティア活動や企業へのアプローチ、地元小売店でのデモンストレーションなどの活動を通して、寄付を募り教育の大切さを伝え広めていく運動を展開。彼女たちの活動は、現地の新聞にも取り上げられた。学校建設に必要な3万ドルの寄付を集めるため、学業と両立しながら週末を中心に活動をしている。

今後の展開として、ユースの力を世界に発信するべく海外の仲間も募っていきたいということ。Tierraさんの夢は、起業家としてもNPOの運営者としても活躍していきたいということで将来が楽しみだ。

■Tierraさんから日本の学生へのメッセージ
“Although we come from different cultures, I think it is our joint responsibility as global members to help others in need! Although your actions may be small, take sometime to serve your community. Clean up your streets, donate old shoes, clothes, and spare change, serve at a homeless shelter, give your time and talents, help youth in need, volunteer; DO SOMETHING AND YOUR IMPACT WILL BE FELT!  Don’t wait for someone else to take action, don’t expect others to help first; “be the change YOU wish to see in the world”. Nothing can become better unless we as youth stand together to make this world a better place!”

夏休みや春休みを利用してこの団体でボランティア活動に参加することも可能。
問い合わせは下記まで。

大川彰一:
留学ソムリエ代表
国際教育コンサルタント
JAOS認定留学カウンセラー
日本認定留学カウンセラー協会正会員
1970年京都市生まれ。高校1年生の時に姉妹都市交流の一環でアメリカのボストンに渡米。京都の大学時代はバックパッカーとしてヨーロッパやアメリカを旅する。大学卒業後は、関西の小売業でセールスやマーケティングに約10年間携わり、その後研修のためカナダに渡航。帰国後は、大手留学エージェントのチーフカウンセラーとして1,000名以上の留学に関わり、在籍中の4年間はトップセールス。紹介した主な国はアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど。
その後、米国の教育団体にて約6年間、日本や東南アジアの教育機関および企業との連携によりグローバル人材育成に尽力。また高校交換留学や東北復興プロジェクト、アジアの国際協力プログラム開発にも関わる。全国の大学や高校、留学イベントでの講演実績は多数。今までに訪れた国は30カ国以上


【NPO団体に関しての情報】

団体名:Eastside Global Youth(EGY)
場所:アメリカ ワシントン州
HP:http://eastsideglobalyouth.com

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