「クリエイティブサロン」では、関西を中心に活躍するクリエイターがゲストスピーカーとなり、定員15人という気軽な雰囲気の中で話をすることで、他では聞けない本音が飛び出したり、一人の質問から話が広がり、会場全体を巻き込んだ対話が生まれることも多い。

20回目のゲストスピーカーは、大阪に事務所を構えるクリエイティブディレクター・コピーライターの田中有史氏。関西では誰もが知っている京阪電鉄の「おけいはん」のコピーを作った人物だが、「あれはチームの一員としての仕事、それから新しいこともいろいろとやっているので」と後ろを振り返らない。

彼がクリエイターとして大切にしているのは、「感性」ではなく、「志」と「企み」だ。自分の仕事のハードルを上げ、広告に不可欠な、「目立つ」という機能をいかに高めていくかを自分が納得するまで考え抜く。

時には100のアイデアを紙に書き出し、トーナメント合戦のように戦わせて1つのアイデアを選び取る。また潤沢な予算が必要となるマスメディアではなく、顧客の予算の制約に合わせて、「商品そのもの」や「パッケージ」など、普段はコミュニケーション媒体でないものをメディア化することも彼独特のこだわりだ。

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