最初に書きますが、チェンジメーカープログラムを体験して感じた事は、いまだに楽しかったと一概に言えるものではなくて、考えが至らなかった事、悔しかった事、泣きたかった事もたくさん含まれている3週間でした。いまだに僕は、「3週間で何か学んできたのか?」とか考えたりしてしまいます。
それでも僕が今回声を大にして得た事は、「常に人の気持ちを汲み取ってその上で行動する」ことでした。そもそもなぜこれに気付き、実践しようとしてるのか?僕が最初に3週間で変えたかったことは、「勇気が持てず、行動できない自分」でした。誰かのために何かをしたいという気持ちがあっても行動できないと意味がないとじれったい思いを抱えていました。
このプログラムに参加する前から、「地元で産業を盛り上げて活性化させたい!」という気持ちがありました。しかし、周囲の人に言われたのは、「どこか君の言葉は薄っぺらい」という言葉でした。なぜ薄っぺらいのか?モヤモヤしている自分がいました。
今回も同じ事を言われ、それでもどうすればいいのか分からないまま日数が進んでいきました。このときは、朝起きたら「なんでここに来てるんだろ?」と考えた事もありました。
そんな中、広田町民との交流で薄っぺらいと言われてしまう原因を見つけました。
僕は、広田の野菜畑でピクニックをする企画を考えました。広田町民と広田に来た外部の人たちが同じ景色を見ながら、ご飯を食べる事で価値観を共有し、そこで出会った人とつながることを目的に掲げて行動させてもらいました。
その時に、僕は広田で野菜栽培をしている長野妙子さんと一緒にこの企画を実現させたいと思いました。野菜作りに挑戦している長野さんの姿に胸を動かされ、「一緒にやりたいです」と言いました。
しかし、このことを伝えたときに、自分の言葉の薄っぺらさに気付きました。相手のためと思ったことでも、実は迷惑になってしまうものです。僕はこのことに気付かなく、いつも自分だけの考えで先走っていたとわかりました。
今回ピクニックでは、広田の人たちも参加してもらうという事で参加者目標を7人に設定していました。しかし、なかなか行動できない自分がいました。電話するのが怖い、ビラも作ったけど、急に行くのも怖い、何をしても怖いのです。「怖い」という言葉が自分を縛っていて本当にギリギリまで何もできなくて、どうしようとずっと悩んでいした。ピクニック前日でも参加者はまったく集まっていない状況でした。
悩んでいたときに今回のプログラムの代表であるSETの岡田勝太さんから、「今できる限りの事をしよう!」と言われました。その言葉は僕に取って一番背中を押してくれる言葉でした。前日になってしまったけど自分にできる事は、人にビラを配って、ピクニックをやることを紹介する事だと明確に感じました。
ビラを配ろうと決心した時は何も怖いものもなくて、配りきり終わった後は達成感に包まれていました。行動をするという応え方をピクニックが始まる直前でちょっとはできたのかと思いました。
今回、プログラムを作る上で得ことは2点です。1つは相手の気持ちをちゃんと汲み取る事。2つ目は、相手の気持ちに応えて自分の壁を壊してでも行動する事。
この2つが自分に取ってすごく大事だったと思っています。そして僕はこの2つを3週間で達成できたかというとできていないと思っています。それはプログラムの結果が一番物語っていますから。ピクニックでは7人集まらなかったのです。でも、だからこそ、これから実践していこうと思うのです。(井戸洋明)