茅ヶ崎市の市民税の行き先をウェブ上で確認できるサイト「WHERE DOES MY MONEY GO? 〜税金はどこへ行った?〜」茅ヶ崎版が12月2日に公開した。納税者個人の年収を入力すると、実際の市民税額が計算され、それを基に納税者が納めた税金の1日当たりの使途を可視化する。湘南地区に住む市民の有志団体が、納税者の行政への参加意識を高めることを目的に開発した。(オルタナS副編集長=池田真隆)
ウェブサイトを開発したのは、ITの力で神奈川県湘南地域の活性化を目指す任意団体「湘南Apps!(アップス)」。2013年7月に立ち上がり、神奈川県湘南地区在住の学生やIT企業などに勤務する有志メンバー15人弱から構成されている。
サービスは無料で誰でも利用することができる。年収を入力すると、扶養家族控除などを計算し、「民生費」「教育費」「議会費」など13分野の市税額に1日当たりにいくら使われているのかを明らかにする。
このシステムは、イギリスでオープンガバメントを目指す機関「Open Knowledge Foundation(オープンナリッジファウンディーション)」が開発した同名サイトをベースに開発されている。使われているデータは茅ヶ崎市財務部財政課が作成している平成25年度一般会計予算のデータを基にした。
日本では2012 年に横浜から始まり、現在では千葉、仙台、福岡、北名古屋など、53都市に、同様のサイトが広がっている。会計専門用語が使用されて、敬遠しがちな納税の流れをわかりやすくする市民の動きには、市も注目する。市のホームページでも同サイトを広報する。
湘南アップスの広報を担当する井手敏和さんは、「市からは、ボランティアで集まった市民がこのようなサイトを立ち上げていることに興味示してもらっている。今後も、オープンデータを促進し、行政と市民の距離を近づけたい」と話す。