近年、シーシェパードやグリーンピースなどの環境保護団体の活動が、日本でも活発化し、国内外を問わず議論の的になっている。そのたびに、鯨やイルカの知能の高さが問題の争点となる。このほど、ルーマニアの国会では、そのイルカの知能の高さから、イルカに人権を与える法案が提出された。(オルタナS特派員=伊藤由姫)
ルーマニアのコンスタンツァで14日、レムス・チェルネア議員が、イルカに人権を与える法案を国会に提出した。活動家でもあるレムス・チェルネア議員は、イルカを「人間以外の人格」と位置づけており、法案では、人間とイルカは法の下に平等としている。
そのため、イルカを殺した場合、「殺人」と同じ刑期に処されるほか、エンターテイメントショーなどでイルカを出演させることを禁じている。和歌山県太地町のイルカ漁を批判的に描いた映画「The Cove」の監督ルイ・シホヨス氏も、このルーマニアの法案を支持すると表明した。
この法案をめぐり今後、上院で審議が数週間をかけ行われることになる。しかし、現在のルーマニアでは、汚職や生活水準の低下が問題となっており、今回の議会の主な争点となるとされている。そのため、このイルカの権利に対する法案成立は難しい見込みだ。