現在開催中のソチオリンピックでは競技と並行して、アスリートたちが自身のセクシュアリティをカミングアウトするなどの運動が発生している。これは昨年6月に制定された「同性愛プロパガンダ禁止法」に対する抗議活動の一環で、制定時から国際的な抗議の声が上がっており、欧米の首相は開幕式を欠席していた。(日本は参加)世界中どこにでもいる「LGBT」に対する人権侵害であるだけに抗議の声は小さくない。(オルタナS特派員=佐藤理来)

「LGBT」とはセクシャルマイノリティの中のG=ゲイ、L=レズビアン、B=バイセクシュアル、T=トランスジェンダーを指して言う言葉で、しばしば中核的に扱われる。

「同性愛プロパガンダ禁止法」とは18歳未満の若者に対して同性愛を助長する活動を行った者を処罰するというもので、外国人も対象になる。LGBTに対する人権侵害というだけでなく、「助長する活動」の明確な基準などがないこともあって、悪用も懸念されている。最近では2月7日にサンクトペテルブルクでLGBT権利活動家4人が逮捕されていた。

スポーツ選手の中にももちろんLGBTはいるということを示すために、女子クロスカントリースキーのバルバラ・イェゼルシェク選手(スロベニア)や、スノーボードのシェリル・マース選手(オランダ)などが少なくとも8人がカミングアウト。他にも、夏季種目の選手たちからもカミングアウトする声が続々と上がっている。

先月、BBCのインタビューで「われわれの住む地域で同性愛は受け入れられない」などと発言していたソチ市のパホモス市長は、17日に会見を開き、「あらゆる観光客を歓迎する。性的指向は関係ない」と発言を修正した。