『筆談ホステス』(光文社)の著者斉藤りえさんが政界進出に向け、クラウドファンディングで資金を集めている。目標金額は150万円で、プロジェクトを開始して3日で半分以上の資金調達を達成した。斉藤さんは、聴覚障がいを持つ当事者だからこそできる「心のバリアフリーを実現したい」と意気込む。(オルタナS副編集長=池田 真隆)
斉藤さんは、日本を元気にする会(代表・松田公太)の公認候補者として統一地方選に挑む。クラウドファンディング「GREEN FUNDING」で活動資金を集めており、目標金額の150万円を達成した場合、「東京パラリンピックに向けたバリアフリーマップの作成」「小中学校でのバリアフリーをテーマにした特別授業」「障がいを持つ児童の職業体験」など、バリアフリーの推進を進める。
斉藤さんは青森県出身の31歳。1歳のときに髄膜炎を患い、後遺症で聴力を完全に失う。上京後、多数の接客業を経験するなかで、銀座の高級クラブに勤務。筆談を生かした接客術で「筆談ホステス」として注目され、2009年には自叙伝『筆談ホステス』を出版した。同作は、北川景子主演でドラマ化もされ、話題を呼んだ。2011年に女児を出産し、入籍はせずにシングルマザーとしてバリアフリー社会への啓発活動を行っている。
斉藤さんが政治家を目指したきっかけは、社会的課題の当事者であること、そして、耳は聴こえないが、相手の想いに寄り添って仕事をしてきた経験があるから。夢は、「障がい者も健常者も、自分らしく生きられる場所をつくること」だと言う。
プロジェクトページでは、「人の話を聴いて、人の想いを受け止めて、それを形にしていく仕事、それはまさに『政治』の仕事そのもの。そして、私は社会が抱える課題の『当事者』。悩める人達と同じ視点で考え、共感し、それを広く世の中に伝えていきたい」と決意を記している。
同プロジェクトへの支援者へは、斉藤さんの講演券のほかに、筆談ホステスの経験を生かして出張接待などの特典がある。
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