LGBTの支援団体「新設Cチーム企画」が、「ろうLGBTサポートブック」の無料配布を行っている。「ろうLGBT」とは聴覚障がい者であり、セクシャルマイノリティでもある人たちのことを指す。3月9日には完成パーティも行われ、60人を超える人たちが集まった。(オルタナ編集部員=佐藤理来)
いわゆるダブルマイノリティである「ろうLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)」は、健聴LGBTとは異なったバリアを抱えていることも多い。
肉体の性別を変更しようと医療機関に行っても、手話通訳者がLGBTについての知識を持っていなかったり、LGBTとして相談ができる窓口を開いているセンターなどは電話での相談形式になっていたりと、外部の専門機関へのアクセスが難しい。
さらに、ろうコミュニティという狭い人間関係のなかでは、カミングアウトがためらわれるケースも多い。
「ろうLGBTサポートブック」では、こうしたろうLGBTならではの悩みを紹介するとともに、「されると嫌な手話表現例」やカミングアウトに対するQ&Aを写真やイラスト付きでポップに解説している。
新設Cチーム企画では、カミングアウトしているろうLGBTへのインタビュー動画もウェブサイトで公開している。質問内容は、自覚したのはいつか、周りの反応はどうだったのかなどだ。後半は基本手話の解説になっている。
「ろうLGBTサポートブック」は、新設Cチームに送付先と必要部数を連絡すると、送料着払いで送ってもらえる。PDF版は団体ウェブサイトからダウンロードが可能だ。
新設Cチーム企画
http://rupan4th.sugoihp.com/index.html
PDF版ダウンロード、動画紹介ページ
http://rupan4th.sugoihp.com/contents5panf.html