俳優の佐藤ただすけさん(29)はセクシュアル・マイノリティーの若者に生き方のバイブルを提供しようとしている。学生の頃から性同一性障害に悩んだ佐藤さんは自身の中性的な外見を武器に俳優としてデビューした。「ウォーターボーイズ2(フジテレビ系)」や「ヤンキー母校へ帰るSP 不良少年の夢」などヒット作にも出演を果たす。(オルタナS特派員=和田 直也)

俳優の佐藤ただすけさん

しかし、中性という表面上の個性に対し、心は女性であるというギャップに悩んだ彼女は、手術費を貯め、女性として生きていく決心をした。

「普通でない若者の教科書がないというのはおかしい」と考えた彼女は今、自伝の出版などを通して、同じ悩みを持つ若者に人生の先輩としての提言を出版する計画を進行中だ。

恋愛や友達付き合い、化粧の仕方など彼女独自の経験から得た情報を発信して、少しでも周囲の理解を促したり、その若者たちが生きやすい社会を実現しようとしている。

女性として生きていくとしてもこれまでの紆余曲折を切り捨てる事を彼女はしない。「いろもの」と言われながら性や心の悩みと真剣に向き合い決断した経験が今、彼女に彩りを与える。