飢餓問題に取り組むNPO法人TABLE FOR TWO International(テーブルフォーツー 以下TFT)は5月22日、先進国での商品販売を通して、途上国の食糧支援を行う新企画を発表した。先進国で販売する健康食品の売上の一部を、途上国の農業支援に当てる。本企画には、ローソンやオイシックス、永谷園など複数の企業が参画を表明している。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

記者会見に登壇した、テーブルフォーツーの小暮代表(写真右端)、ローソンの新浪会長(右から2番目)、オイシックスの高島社長(左から2番目)=22日、世界経済フォーラム東アジア大会(マニラ)で

新企画の名称は、「カロリーオフセット」。TFTが先進国で企業と協働し、ヘルシー食品やダイエットサービスの企画販売を行う。その売り上げの一部が、開発途上国の農業支援になる仕組みだ。

同日、マニラで開かれている世界経済フォーラム東アジア大会で、記者会見が開かれた。ローソンの新浪剛史会長、オイシックスの高島宏平代表が出席し、企画への参画を発表した。安倍晋三首相からのメッセージレターも紹介された。

この企画に参画しているのは、ローソン、オイシックスに加えて、永谷園、江崎グリコ、FiNCの3社。第一弾として、オイシックスは、5月15日に「ノンオイル 橙とラ・フランスのドレッシング」を販売した。商品売上の3%が寄付となる。そのほかにも、ローソンは今秋をめどに対象商品の発売を、永谷園は、野菜を使ったそうざいの素や生姜を使用した商品の開発を目指す。

第一弾の支援先は、フィリピン・バライバイ地域の小学校だ。同校は、1991年に噴火したピナトゥボ山による被災者の再定住区にある。当時、被災者は120万人に及び、今でも、経済的、文化的に遅れをとる。寄付金で、学校菜園を拡張し、生徒たちに農業生産を指導する。

記者会見を開いた、TFTの小暮真久代表は、「ヘルシーな食事で抑えたカロリーや、運動で消費したカロリーを蓄積し、同じ量のカロリーを開発途上国で生み出すことを目指したい」と意気込んだ。

TFTは2007年に設立され、社員食堂や店舗で販売される寄付付きヘルシー食品1食の購入で20円が、途上国の食糧支援になる仕組みを展開している。日々の食生活から、メタボ予防と社会貢献を両立させた仕組みが人気を集め、企業や官公庁、大学や病院など650もの団体が参画している。

各種調査でも、コモディティ化された商品がコーズブランドには有効とされている。NPOが架け橋となり、企業の商品やサービスが消費者を超えて、途上国の子どもたちまで届けられる仕組みに注目が集まる。