ソニーと独立行政法人国際協力機構(JICA)は、アフリカで2014年FIFAワールドカップのパブリックビューイングを行う。パブリックビューイングを行う国は、日本の対戦国でもあるコートジボワール。民族対立問題を抱える同国を、サッカーで一つにすることを狙う。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

このパブリックビューイングは、グループリーグ予選から決勝まで、首都のヤムスクロを含む複数都市で、10回にわたり実施の予定だ。およそ8000人の集客を見込んでいる。無電化地域でも行うため、ソニーのオリビン型リン酸鉄リチウムイオン電池、蓄電モジュール・システムの制御技術を活用し、電源設備を整えた。

パブリックビューイングに合わせて、社会的統合をテーマとした演劇やクイズ大会、サッカーマッチも行う。コートジボワールは、1990年代以降、経済的・軍事的混乱に悩まされてきた。約60の民族がおり、政治思想を巡って対立が起きていた。同国代表内でも選手同士で争いが絶えないという。

同国では、国家再建のため、民族間の対立問題を最優先課題として認識している。その解決策として、サッカーにも期待を寄せている。20年間続いた内戦のあとに政府が創設した「対話・真実・和解委員会」のメンバーに同国代表のエース、ディディエ・ドログバ選手も選ばれた。今回のパブリックビュー、そして、民族間を越えたサッカーマッチなどでコミュニティーの絆を再形成していく。