多くの人が「ボランティア」で働き、お互いを支えあうギフト・エコノミーの街、インド・オーロビルで暮らす小川美農里特派員の記事一覧です。
小川 美農里:1984年生れ、福島県出身。看護師。高校在学中に日本一「ホームレス」の多い釜ヶ崎(大阪市西成区)に出会い、衝撃を受ける。大学在学中に休学し世界一周、病院・NGO・孤児院などでボランティア活動を行う。訪問国は今までで約40カ国。看護師として勤務中も、若者と釜ヶ崎が出会えるようスタディツアーを主催。学生を中心に、世界とのつながりやいのちの大切さについて、授業や講演活動を積極的に行う。約4年間働いた病院を辞め、2014年2月から、幸福、農業、統合医療などをキーワードに、インドのオーロビルで働きながら学んでいる。
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No,1 報酬は金銭ではなく、自己開発〜ギフトエコノミーのまちで生きる〜
インドのタミルナドゥ州にある、「オーロビル」というエコヴィレッジをご存知だろうか。ヒューマニティの実現を目的としており、 1968年に発足、 現在は約2300人の多国籍の住民で構成されている。宗教や国籍、文化の壁を超えた持続可能な理想都市であることから世界最大のエコヴィレッジなどと称される。私は現在、ここに滞在し、ボランティアとして働いている。
オーロビルに来て、約3カ月が経った。インドに来るのは4回目だが、オーロビルは、別世界のように感じる。生活に関わる多くのものが、環境や人権に配慮されており、地域で栽培された顔の見える有機栽培の生産物、伝統的な薬草を使った食事など、魅力的なものに囲まれている。オーロビル内で働く人たちも、笑顔とホスピタリティで溢れている。
ギフトエコノミーの街・インド オーロビルに来て4カ月が過ぎた。今、私は新たなプロジェクトを開始しようとしている。それは、モバイルサービスといって、訪問型の医療サービスだ。日本では、介護保険の影響もあり、在宅医療・在宅介護サービスはかなり定着してきているが、インドにおいては、病院やクリニックでの医療も十分とは言えず、モバイルサービスは数少ない。
No,4 「経験は最大の学び」〜オーロビルで暮らす日本人アーティスト〜
「小さな一歩よりも、自分の知らない範囲まで、大きめの一歩を踏み出すほうが良い」――とは、私の滞在するインドの都市、オーロビルの市民権を持つ「オーロビリアン」の、江里尚樹さん(38歳。以下、オーロビルでの名称:ジョーティと表記)の言葉だ。ジョーティさんは、28歳の時にインドを旅する中でオーロビルと出会い、暮らし始めて9年になる。今年10月に台湾で開催される、アジアのアーティストをつなげ、活性化を目的とした『ワンアジア』プロジェクトを主宰。オーロビルでの暮らしや、若者へのメッセージを聞いた。
No,5 「グローバリゼーション」がもたらす課題 教育、地域農家、食の多様化
8月5から7日までの3日間、インド北部のラダック地方で開かれたワークショップに参加した。グローバリゼーションの波が押し寄せる地域で直面している課題と取り組みを学んだ。その模様をレポートする。
今回は、私の現在滞在するオーロビル内にあるブッダ・ガーデンを中心に紹介しよう。オーロビルには、20数カ所の農場があり、そのすべてで、ほぼ有機農法や自然農法で作物を栽培している。その中のひとつで、私が現在滞在しているブッダ・ガーデンは、2000年にイギリス人オーロビリアン(オーロビルの市民権を持つ人の総称)の女性が始めた農場だ。もともと看護師で、母乳や誕生の研究をしていた彼女が農場を開設した理由は、「環境に優しく、社会的・経済的に持続可能である健康的な食べものを提供したかった。私にとって農業は、いのちを誕生させるようなもの。対象が身体でなく、地球になった」という。
先日、オーロビル内で始まった「アート・チャクラ」というイベントに参加した。「自己の内側にあるアートを表現、共有する場にしたい」との思いから開始された、このイベントについて紹介しよう。