今日、ユニバーサルデザインは、食や建築、交通インフラ、トイレなど多くの分野に試みられている。しかし、ファッションの分野では遅れているといわれている。そんななか、NPO法人ユニバーサルファッション協会(東京・渋谷)では、ユニバーサルファッションのコンセプトに共感し、商品・市場開発に参加してくれる企業や個人、プロジェクトに対して「ユニバーサルファッション協会商品推薦制度」を設けている。(フリーライター=今一生)

Uマークには、協会のロゴもしくは絵文字の2パターンがある

これは、協会が定める推薦商品のガイドラインをクリアした商品プロジェクトに「Uマーク」を付与するというもの。推薦しているのは、年齢、体型、障害などに関係なく誰もがファッションを楽しめるように配慮した商品だ。

サイズ・機能性に配慮した服だけでなく、介護衣料や障害に対応した衣服、靴、生活用品などが対象となる。推薦商品の一部は、同協会の公式サイトで見ることができる。

同協会の理事長・岡田たけ志氏は、「商品開発時にユニバーサルファッションの基準がわからないという要望に応える形で作りました」と言う。

「Uマークは、アパレル業界のみなさんから協会に申請していただき、基準を満たしたものについてのみ発行する形で、2002年から発行しています。海外からの輸入商品も対象で、現在のところ、1万から2万点ほどの商品についています。Uマークをつけることで、ファッション性だけでなく、デザインそのものが認められるということで、社会への貢献が高いというブランド価値をもてます」

同協会では、東京都立産業技術研究センターの共同で「カラダにやさしいポロャツ」も開発している。

国内外で高齢化の波が押し寄せる今日、Uマークの普及はシニア市場を活性化させるかもしれない。同協会では今後、カジュアルブランドにも協会側からUマークの普及を働きかけていくそうだ。

・NPO法人ユニバーサルファッション協会
http://www.unifa.jp/