フレンチレストラン・婚礼会場の「鮒鶴 京都鴨川リゾート」(京都市下京区、運営=バリューマネジメント)は、新たに地元京都の若手作家の作品を展示する「GALLERY FUNATSURU」を、6月20日から開催している。確かな技術を持つ地元京都の若手作家に、登録有形文化財の木造五層楼閣建築「鮒鶴」を表現の場として長期的に提供。食やブライダルなどの「生活文化」と「アート」が融合する、京都の新たな文化情報発信拠点の場をめざす。(オルタナS関西支局長=神崎 英徳)
大正11年築の同施設の創業は145年前。500人を収容する京都随一の料理旅館として賑わった。その老舗料亭が平成20年にフレンチレストラン及び婚礼会場として再出発し、今なお多くの人に利用されている。建造物そのものの歴史的・芸術的価値も評価され、同24年には文化庁より登録有形文化財(建造物)に登録された。
ギャラリーは、「ART KYOTO2012」で手腕を発揮したニュートロン(東京・港)の石橋圭吾社長をアートディレクターに迎え、鮒鶴が持つ歴史的空間美を生かすことを前提に、若い感性が光る陶芸や染色、彫刻など約100点の作品を展示。季節ごとに年4回の入れ替えを実施する。今回の展示は8月22日まで。
運営会社広報担当者は「当社は主に歴史的、文化的価値の高い建物をリノベーションし、ウェディング会場として再生する事業を行っている。人口減少が進み、ナシ婚などの言葉も生まれるなか、アートの力で建物の魅力をさらに高め、よい多くの人に日本の良き文化である結婚式の意義を伝えていきたい。また、鮒鶴が地域貢献に熱心で地元住民にも愛されていた歴史を受け継ぎ、京都の若手作家を応援できれば」と話している。