学生団体LGBT Youth Japanは今年3月、ニューヨークへのスタディツアーを行った。ツアーでは、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなど性的マイノリティーの総称)支援を行う先進企業や団体を訪れた。今回は、LGBTQの若者向けのサポートに特化した非営利団体Pride For Youthを訪ねた。

imagePride For Youthは、LGBTQの若者向けのサポートに特化した非営利団体。若者の健康・成長を手助けすることを目的としている。主な活動はワークショップ・カウンセリング・コーヒーハウス・HIV啓蒙活動・アフリカンアメリカン/ラテンアメリカン対象の性教育やイベントなど。

今回私達はNew York郊外のBellmoreにあるコーヒーハウスを訪れた。コーヒーハウスとは毎週金曜日に開かれている、LGBTQやアライの子どものためのコミュニティスペース。

まずスタッフの方がワークショップやコーヒーハウスの運営などについて詳しく説明してくれた。印象的だったのは、時代によってワークショップの内容を変えているという点。昔はセクシュアリティの定義から説明していたそうだが、近年ではLGBTQをどう受け入れるかということに重点を置いて講演している。

その後、コーヒーハウスに来ている子ども達に話を聞いた。私達が訪問した日は30-40人程度おり、その多くが中高生だった。学生の生の声を得ることができ、今までアメリカにおけるLGBTQを取り巻く状況に関して勘違いをしていた点に気付くことができた。

まず第一に、学校でLGBTQに関して教育を受けられるとは限らないということ。私達が話を聞いた学生の多くが「学校でLGBTQについての授業はない/なかった」と回答した。

LGBTQの子どもに対する差別・偏見は今でも根強くある。特に宗教的な立場から同性愛などを受け入れられない人が多く、そのような家庭で育って苦労したという話をメンバーから聞いた。

しかし何よりも、子ども達の安心した表情が最も心に強く残った。ここでは「セクシュアリティを隠さなければならない」というプレッシャーに苦しむことなく過ごせる居場所であることが伝わってきた。

image (1)ワークショップの内容についての話が印象的だったのには理由がある。私自身学校などに出張し、LGBTQについてグループワークや講義をすることがあるが、こうした活動にどれほど効果があるのか疑問に思っていた。しかし体験や知識を提供することで、少しずつ理解が広がっていくケースを実際に知ることができたのは非常に今後の励みとなった。一つひとつは小さな活動かもしれないが、その積み重ねが大きな変化をもたらせるよう自分も頑張っていこうと思った。

LGBTQの子ども達にとって支えとなる仲間を見つけることは安心感に直結することだと感じた。当事者のみならず、アライもコーヒーハウスに入れる理由をスタッフの方に伺ったところ、一人では来づらいため、友達を連れてくることが多いからだと言っていた。LGBTQの子が安心している様子を見て、アライの友達も安心できるとのことだ。こうした場があることで、救われている子どもたちは数多くいることだろう。(学生団体LGBT Youth Japan公式ブログから抜粋、一部編集)

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