※この記事は、筆者が患った精神疾患という経験を通し、少しでも多くの方に「こんな病気もある、当事者はこんな事を考える。」などの現状を知っていただくために書いています。(吉田 尚弘)
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私は現在、強迫性障害と鬱病という精神疾患を患っている。多くの方が私と話す時、「吉田さんはどの様にして克服したのですか?なぜ、そんなに元気なのですか?」と聞かれる。
はっきり言おう。
私は、克服はしていない。確かに以前より元気になった事は認める。ただ、皆が想像するようなハッピーエンド的な出来たストーリーを経験して今がある訳ではない。
それまでの出来事を少しでも多くの人に共有したい。
■何が病気か分らない日常
現在の病名が診断されたのは、私が高校一年生の時だった。
それまでは、強迫性障害という病気があることも知らず生活をしてきた。
今となって分かることは、小学校年低学年から病気を患っていた可能性があったということ。
小学校低学年の頃、私は授業が始まる前後には必ず手洗いをしていた。その理由は、「不潔が原因で、自分や他人が死んでしまうのではないか」その様な観念が浮かぶからだ。
それらは段々と酷くなり、手を洗わないと自分の筆記用具に触れられなくなり、勉強その物にも集中出来なくなった。
ある時には、「自分に起きた全ての事柄を記憶して母に伝えないと安心できない」という観念も浮かんだ。
その時は、何か起きる度に筆箱の中にあるマッキーを手に取り、自分の机に全て記録した。
やがて机には、
「ハエが顔に当たった。足を壁にぶつけた」など、数え切れない程のメモ書きで机が真っ黒になり、先生にとても怒られた。
今となっては異常な事だが、
当時の私はこれを病気だとは思わなかった。
低学年の私は、精神疾患という言葉も知らず、性格的な物として捉えていた。
やがて、度が過ぎて心療内科に通うものの、全くと言っていいほどアドバイスは無く、「ストレスですね。様子をみましょう」という一言で締めくくられた事をしっかりと覚えている。
■初めての不登校
時期は重なり、丁度その頃に学校に行けなくなった。
不登校というやつだ。
最近の報道では、「数年ぶりに小中の不登校者が増加」という見出しを見た。
不登校にも、数え切れない程の原因があると思うが、自殺者の傾向と同様で精神的な疾患を抱えた人が多いと分析する専門家も多い。
私の場合は
原因は全く覚えていないが、
おそらく私も精神疾患が大きな原因では無かったか。
毎日朝になると担任の先生が家にやって来てはピンポンと音を鳴らす。
そしてゲームをしている私を、強引に連れて行く。
当時はとても辛かったが、
その先生が居たので再び学校に通えたと思っている。
当時もまだ私が精神疾患であることは誰も知らず、私の学校での行為を知っていた親や学校の先生すらも病気だとは思わなかったという。
私は、もしかしたら本人や周りが知らないだけであり、実は精神疾患と診断される病を持ってる人は大勢居るのではないかと感じる。
最も重要なのは、日常に支障が出てるのかどうか。ではないだろうか。
本人が苦痛でなく日常生活が送れれば、医師が病気だと言ってもなにも気にする事は無いと思う。
ただ、問題なのは
自らが何が原因か分からないまま、ひたすら悩み続ける。その行為によって、社会生活が行えないことだ。
私自身も、そんな曖昧で答えの見えない生活が数年間続き、周りの人々の事を憎んだり思ってもないことを親にぶつけたりしていた時期もあった。
私自身も、当時にこんな病気がある。
という簡単な知識があれば、
もしかしたら違った判断をしていたかもしれない。
ただ、その事に対して後悔をしている訳ではない。
ひとつだけでしてるとしたら、
現状の説明のつかない状況の中でのストレスで、親に酷く当たってきたことだ。
何度、酷すぎる言葉を放ってきたかもわからないくらいだ。
今は、とにかく謝りたい。
ごめんなさい。
続く