一般社団法人淡路エリアマネジメント(AAM)は11月2日、東京・御茶ノ水でワテラスマルシェを開いた。同マルシェは、地域間交流をコンセプトに、複合施設ワテラスの下で定期的に開催されている。全国各地の生産者・地元大学生・地域住民をITの力で巻き込む仕掛け人に聞いた。(オルタナS副編集長=池田 真隆)
ワテラスマルシェを主催する「一般社団法人淡路エリアマネジメント(AAM)」は、ワテラスの誕生をきっかけに発足したまちづくり組織だ。同マルシェは、ワテラスのオープン直後から定期的に開催しており、今回で17回目だ。
AAM事務局の松本久美マネージャーは、「販売を通して、生産者とコミュニケーションを取り、滞在型のマルシェにしたい」と話す。出店者は、全国各地から募集するが、地元自治体としての参加も受け付けている。
今回、全国のマルシェで初めてiPadレジ(Airレジ)を導入した。運営者として、販売数や入客数の売上管理、リピートする顧客の情報把握などの課題を持っていた。このたび、ITを生かして、商品管理、顧客管理を行うと決めた。
このことで、時間別売上、毎回通っている顧客の名前などを把握できるようになり、より効率的な売上作りを狙う。一方、ほとんどの店舗がこれまでレジを使用することなく販売を行ってきたので、いきなりのレジ使用、Airレジ導入について不安を感じることが予想される。この点は、普段スマートフォンやタブレットに馴染みのある学生スタッフに、出店者のサポートを依頼した。
この学生スタッフなのだが、一般に募集したボランティアではない。ワテラスアネックスの最上階14・15階には全36戸の学生マンション「ワテラススチューデントハウス」が用意されている。家賃は6万5千円で、水道光熱費別だが、ここに入居する学生はAAMの学生会員として、地域活動に参加することが条件となっている。今回のマルシェのサポートをしたのも、ここに住む学生たちだ。
お祭りや納涼会、行政や町会が行う活動に参加するほか、AAMが実施するイベント(マルシェや各種ワークショップなど)の運営や情報発信を手伝っている。学生発のユニークな提案や企画なども出せる。
ワテラスマルシェ事務局の藤井貴之事務局長は、「ITで、業務の効率性を高め、双方向のコミュニケーションを取り、地域活性化につなげていきたい」と話す。
[showwhatsnew]