ベトナムのハノイにある日越大学では、「サスティナビリテイ」を理念に掲げ、文理横断型の教育を展開している。日本とベトナムの両政府が運営する同大学では、「地域研究」、「公共政策」、「企業経営」など6分野で60人の大学院生が学ぶ。サスティナビリテイを体系的に教え、社会的課題を解決する担い手を育てている。(オルタナS編集長=池田 真隆)

日越大学は、ハノイ西部の文教地区内にある校舎の3・4・5階にある。5年後にはハノイ郊外の自然豊かなホアラックへ全面移転する予定

日越大学はベトナム国家大学ハノイ校の構成大学で、公立大学。日本とベトナムの両政府が協力して運営している。開学式は2016年9月、ハノイで両国政府の代表者が出席し、盛大に開かれた。

現在は「地域研究」、「公共政策」、「企業経営」、「ナノテク」、「社会基盤」、「環境工学」の6つの修士プログラムがあり、60人の院生が通う。専任教職員はベトナムと日本合わせて40人いて、非常勤教職員は約100人に及ぶ。

同大学が設立された背景には、ベトナム政府が2020年までに工業国家を目指す戦略がある。同政府は、人材育成に力を入れており、2006年に「国際レベルのモデル大学構想」を掲げ海外の大学の誘致を進めた。越独大学(2008年)、越仏大学(2009年)を設立し、2009年の第一回日越学長会議で、日本にも国際レベルの大学の設立を要請した。

その後、日越議員連盟の武部勤会長と越日議員連盟ト・フィ・ルア会長は2013年の国交樹立40周年記念にあたり、日越大学構想の推進を誓った。そして、同年12月、安倍晋三首相とズン首相が「日越大学」の設立構想の実現に合意した。

日越大学をユニークな国際大学として発展させるため、第一段階の構想として、修士課程においては「サスティナビリテイ学」を軸に掲げた。2023年までにはハノイ郊外のホアラックという広大なハイテクパークに隣接したキャンパスに移転する計画が立てられている。

日越大学公共政策プログラム教員の桂良太郎氏は、「この大学は日越両国の友好のシンボル的な存在だけではない」と強調する。ASEANや世界のトップクラスの大学と連携し、自然科学、社会科学、人文科学などを結集した知を教える。サスティナビリテイを実践し、地球課題を解決できる担い手を育てていく。

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