京阪ホールディングスはこのほど、「オーガニック」や「地産地消」などをテーマにした9階建ての複合型商業施設を京都にオープンした。オーガニック食品や化粧品が並ぶ物販ゾーン、イタリアのミシュラン一つ星を獲得したシェフ監修のレストラン&バー、自己治癒力を高める極上のヘッドスパ、さらには天然木を基調とした癒しのホテルなどが併設されている。伝統と革新が共存する古の都に根付く感性を生かした、「京都流エシカル」で観光客をもてなす。(オルタナS編集長=池田 真隆)

「GOOD NATURE STATION」を運営するビオスタイルの高原社長

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” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” class=””]「前例にとらわれず、思い切って挑戦した。カギは女性とオーガニックだ」――昨年12月上旬、ビオスタイル(京都市下京区)の高原英二社長は筆者にそう熱く語った。場所は、複合型商業施設「GOOD NATURE STATION」(京都市下京区河原町通)にあるカジュアルダイニング型のレストラン「ERUTAN」。

ビオスタイルは、「GOOD NATURE STATION」の運営を手掛けており、京阪ホールディングスのグループ会社である。高原社長はこの施設の運営責任者だ。

「高齢化を迎える今後の日本では、京阪は鉄道事業と不動産事業に依存してはいられなくなる。持続可能な経営をするには、箱物ビジネスから脱却して、ライフスタイルを受け入れてもらうことが必要だ。そこで、地産地消やオーガニックをコンセプトにしたライフスタイルを提案した」(高原社長)

天然木を基調としたナチュラルな内装、オーガニックコットンのタオルが全室に備え付けられている

この土地を購入した当初は、これまで通りの発想で集合住宅にする話が持ち上がっていたという。しかし、京阪ホールディングスの経営陣から「待て」の声が挙がった。

「既存の仕組みに当てはめようとしていたが、ちょっと待てと。今後、数十年後も生き残るためには差別化する必要があった。そうして自分たちでブランドをつくり、メーカーになると決めた」

この発言から高原社長が考案したのが、自然派オリジナルコスメブランドの「NEMOHAMO」と健康志向のオリジナルフードブランド「SIZEN TO OZEN」である。特に、高原社長が大手化粧品メーカー出身だけあり、NEMOHAMOの商品開発には相当のこだわりを持った。

植物の栄養素を壊さずにエキス化した化粧品「NEMOHAMO」

NEMOHAMOは植物をまるごと低温真空抽出方法でエキス化し、植物が持つ酵素やビタミン、ミネラルを新鮮な状態で商品化。水や石油由来の原料は一切使っていない化粧品に仕上げた。「循環型社会」をテーマにしたライフスタイルを体感してもらうため、シャンプー・トリートメントなどはホテルの全室にバスアメニティグッズとしても置かれている。

高原社長はGOOD NATURE STATIONの特徴を話すときに、「体感」という言葉を再三繰り返す。「ただ宿泊するだけでなく、お金では買えないコトを体感してもらっている」と強調する。

その一つが、1階にある「GOOD NATURE MARKET」。ここでは、地元生産者による有機野菜などを陳列しているが、その販売方法はユニークだ。オープ二ング時の期間限定イベントとして、店舗入口の前には菌床付きの有機シイタケがズラリと並んだ。客は自由に菌床からシイタケを獲るプチ収穫体験をして、レジまで持っていく。ほかにも、味噌玉づくりの体験や食品廃棄物を農業用肥料として作ったお米のすくいどり体験もできる。

オープニングの期間限定イベントでは、プチ収穫ができる購買体験を提供した

宿泊者向けに、ローカル体験ツアーも用意している。行先は、有名な観光地ではない。契約している有機農家が管理する畑や伝統職人の工房などである。作り手と交流しながら地域に根差した魅力や伝統を理解できるので、「初めて京都に来た人にも満足していただけるはず。リピーターになる可能性は高いと思う」と高原社長。

伝統工芸品も販売していて、ゆくゆくは生産者に会いに行くツアーも企画したいとのこと

京都府に訪れる観光客数は年間で8500万人にも及ぶ。オーバーツーリズムが課題になるなかで、知られざる場所を案内するスローツーリズムを提供する。

高原社長は、「いまは売上高よりも、自分たちが提案しているライフスタイルがどれくらいのお客さんから共感されているのかを最も重要な指標にしている」。体験を軸にした京都流エシカルで、顧客の購入頻度を増やし、リピーターの獲得を狙う。




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