日本の女子大生が2015年3月、フィリピンで現地の女性を対象にしたミスコンを開く。その大学生とは、大塚杏里さん(津田塾大学国際関係学科2年)で、学生団体Bela Virino(ベラ ビリーノ)の代表を務める。同団体は、美容の力で、すべての女の子が自分らしく輝ける世界を目指し活動している。(今一生)

ベラ ベリーノの学生たち。前列の右から3番目が代表の大塚杏里さん

ベラ ビリーノの学生たち。前列の右から3番目が代表の大塚杏里さん

ベラ ビリーノは、「美容の力で女の子が自分らしく生きるきっかけをつくる」ことをミッションに掲げる。20人の大学生が毎週金曜日に新宿に集まり、世界の女子事情について学び、発信する活動を続けている。

活動のきっかけは、大塚さん自身が美容の力で変わったことにあるという。大塚さんは、「小学生の頃からにきびがひどい時期があって、人の顔を見るのが怖くて、鏡を見ることができなかった」と告白する。しかし、それが治ってから美容メイクを楽しめるようになり、心が変わっていく。

大学では、ジェンダーを学び、子どもと女性の人権問題を扱うゼミに入った。インドの人身売買や強制結婚、少女の児童労働の様子を知った。

途上国の女性に対して支援を一方的にするのではなく、女性たちの潜在能力を引き出して発信したいと思い、そのためには美容が有効な手段になると考えた。そして、今年8月にフィリピンへスタディツアーを組み、日本の女子学生を連れてメイクのワークショップで回った。

思春期なのでメイクフォームは研究しているというが、化粧品は高くて買えないこともある。そこで、化粧品会社と商品企画を行い、安価でシーズン切れの化粧品を送ったり、ECサイトを作って買ってもらえる環境を整えていく予定だ。

来年のミスコンは、現地のNPO法人セブンスピリットと国際協力ボランティア団体DAREDEMO HEROという日本人の団体がフェイスブックから応募者のエントリーを受付ている。しかし、課題は、数百万円と試算される開催費用だ。

「女の子たちに市場調査をする代わりに協賛金をいただく予定で、いろいろな企業に声をかけていますが、足りない分は1月中旬にクラウドファンディングを試みる予定です」(大塚さん)

ミスコン会場では、最終選考者のメイクを、関西コレクションでヘアメイクを担当しているプロが指導する。優勝者の女性1人は4月に東京観光や東京ディズニーランドを楽しみ、両国の文化の違いについて日本の女子大生たちと話すトークイベントに参加できる特典を与え、新しい世界を見てもらう。

大塚さんは、「ミスコンで自分の夢を語って認められる経験を通して、自分からアクションを起こしていける女性リーダーを育てるチャンスにしたい」と意気込む。なお、Bela Virino(ベラ ビリーノ)とは、エスペラント語で「美しい女性」という意味だ。

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お知らせ Bela Virinoの公式サイトはこちら(※年内のみ。2015年に新設予定)
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