労働金庫連合会とNPO法人ホールアース研究所は2月13日、企業とNPOの協働をテーマにしたシンポジウムを開いた。パネルディスカッションでは、NPOの情報発信力について話が及んだ。広報予算の有無ではなく、「デザイン」と「知恵」が、人々の共感を得るポイントだ。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

NPOと企業との協働について話された。写真右から、

NPOと企業との協働について話された。写真右から、労働金庫連合会の糸谷元志総合企画部長、ひろしま自然学校の志賀誠治代表理事、日本財団総務部企画推進チームリーダーの町井則雄氏、西粟倉・森の学校 牧大介代表取締役=2月13日、日本財団で

同シンポジウムのパネルディスカッションに登壇したのは、西粟倉・森の学校 牧大介代表取締役、日本財団総務部企画推進チームリーダーの町井則雄氏、ひろしま自然学校の志賀誠治代表理事、労働金庫連合会の糸谷元志総合企画部長の4人。

企業とNPOの連携について、NPO側の課題として、企業と対話する機会が少ないことがある。そして、企業側としては、NPOの活動情報を知らないので、信頼できるのか不安という課題があがった。

労働金庫連合会はNPO法人ホールアース研究所と組み、2005年から「ろうきん森の学校」という環境保護を行っている。労働金庫連合会の糸谷総合企画部長は、NPOと連携した当初を、「NPOとはどのような団体なのか、信頼できるのかという疑心があった」と打ち明けた。

NPOの情報発信を強化することが、企業連携につながると話は展開した。町井氏は、「社会性のある情報は、知恵とデザインがあれば、広報予算0円でも届けられる」と強調。町井氏は、NPOなど市民活動の情報発信を支援するCANPANの立ち上げに関わった。立ち上げた当時、ある実験を行ったという。

実験では、予算をかけずに3つの団体を立ち上げ、活動をブログで発信していった。立ち上げた団体は、クールビズを流行らせる「日本クールビズ協会」、スイーツと社会貢献を掛け合わせた「日本スイーツ協会」、そして、雨女・雨男の雨を降らす力を世界の水問題の解決にあてる「日本雨女雨男協会」。

ブログでの情報発信に限定したが、日本クールビズ協会と日本スイーツ協会は、大手百貨店から連携のオファーをもらい、日本雨女雨男協会にいたっては、広告効果が10億円にのぼるとある新聞社の調査で明らかになったという。

ひろしま自然学校の志賀代表理事も、町井氏の「知恵とデザイン」論に賛同。「NPOが情報発信する原点」と語った。

同シンポジウムは、ろうきん森の学校10周年記念として開催。同活動は、里山再生をテーマに、富士山・福島・広島の3地区で現地のNPO、地域住民とともに森林整備を行っている。2014年3月末で、3地区全体の活動参加者はのべ10万665人にのぼる。

お知らせ ろうきん森の学校はこちらへ


[showwhatsnew]