人の心を動かしたイベントには、必ず汗をかいた裏方たちがいる。2月23日に日本武道館で行う、みんなの夢アワード5もその一つだ。学生生活をイベント企画に捧げた若者たちは何を見るのか。(オルタナS副編集長=池田 真隆)
みんなの夢アワードとは、2部構成(1部15:00~18:00、2部18:00~21:00)で行われるイベント。武道館が満員になるメインコンテンツは、2部のプレゼンコンテストだが、5回目となる今年は1部が違う。
毎年1部では、全国の学生団体が各自の活動をプレゼンする時間だが、今年は、学園祭実行委員も同企画に加わる。
当日は、上智大学や早稲田大学、お茶の水女子大学など複数の学園祭実行委員の引き継ぎ式を行い、先輩から後輩へ、エールを送る。そして、その引き継ぎ式を盛り上げるのが、各大学の学園祭でパフォーマンスをした15のダンスサークルやゴスペルサークル。
学園祭実行委員は、学園祭の成功のために、青春を費やす。学園祭が終わった次の日から、実行委員会は準備にかかり、数万人が来場するその日に備える。学園祭を裏で支え続けてきた実行委員たちだが、初めて武道館で表舞台にあがる。
この企画を担当しているのは、メンター学生部。同部には、8人の大学生が所属し、夏から学園祭シーズンの秋までに、各大学に足を運び、実行委員会らを取材した。取材した記事を公式サイトに掲載し、大学生からウェブ投票を受け付けて、全国の大学学園祭のNO1を決めるコンテスト「ベストオブ学園祭」を展開している。
みんなの夢アワード5の後援をしているメンター学生部の吉村祐人イベント局長(早稲田大学文学部2年)は、演出を考えるにあたって、「全てのシーンで史上初を目指した」と言う。学園祭実行委員会とパフォーマンス団体のコラボパフォーマンスは前代未聞だ。出演する一つひとつの団体に、細かく指示をして、動きを確認した
映像系サークルも巻き込み、練習風景や打ち合わせなど、舞台裏にまで完全密着したドキュメンタリー映像作品の制作も進めているという。吉村さんは、「多種多様な特色を持ち合わせた団体を最大限に巻き込んで、大規模、かつ、たぐいまれな演出を達成させる為に心血を注ぎました」と話す。
第一部では、学園祭関連のイベントだけではなく、例年通り学生団体のプレゼンも行う。こちらの企画を担当しているのは、みんなの夢アワード5学生事務局。
総勢40人弱からなる学生たちが、大学生3000人の集客、当日の運営、備品準備などを行ってきた。みんなの夢アワード5学生事務局の代表・堀田愛子さん(法政大学3年)は、昨年の同イベントに参加し、刺激を受けて、活動に加わった。まだ明確な夢は持っていないが、「一つのことに打ち込み、何かを得たい」という思いで、尽力している。
当日、参加者に配布するパンフレットも学生たちで制作した。取材・執筆・編集・デザインを行ってきた。同アワードのコンセプトである「夢」をテーマに、大学生や企業人から聞いた。
断られても、果敢に著名人に取材を申し込み続けた。当初予定していた著名人からはスケジュールの都合でNGとされたが、結果として、世界的な社会起業家であるルームトゥリード創設者のジョンウッドや登山家の栗城史多氏らの取材に成功。同パンフレットの編集長は、小澤泰山さん(東京学芸大学2年)が務めた。
武道館のステージでは、学生によるパフォーマンスが行われているが、アリーナでは同イベントの協賛企業50数社の担当者との名刺交換会を実施。さらに、豪華プレゼントが当たる夢男・夢女を決める大抽選会も行う。
全国の学生団体のパワーと、学園祭の勢いが交わり、今年の武道館はどんな盛り上がりを見せるのか、期待だ。そして、筆者にはもう一つ別の視点で楽しみにしていることがある。それは、この企画にかかわってきた学生たちが何を感じて、どう変化するのか。イベントを楽しむ側ではなく、楽しませる側に回った若者たちは何を得るのだろうか。
【みんなの夢アワード5】
とき:2015年2月23日(月)第一部15:00~18:00 第二部18:00~21:00
ところ:日本武道館
定員:8000人
参加費:学生1000円(*第一部から入場できるのは大学生のみ)、社会人3000円(*社会人は第二部からの入場)
第一部申し込み⇒http://award5gakusei.main.jp/ 当日スタッフの申し込みは⇒https://docs.google.com/forms/d/1hunPtdAu1VdEp9Q0-1M5352cw2G_pcDA5cM0KW9bDig/viewform
公式サイトはこちら⇒http://www.yumeaward.org/