住友理工は6月28日、名古屋市で住友理工学生小論文アワードの授与式を開いた。同アワードのテーマは、「これからの男女共同参画」。同式では、各賞を受賞した学生が登壇し、小論文に込めた思いをスピーチした。住友理工の松井徹社長をはじめ役員が出席する前で、学生たちは「トップマネジメントの重要性」を説いた。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

法政大学人間環境学部の長谷川直哉ゼミからは2組が入賞した。左から、最優秀賞を受賞した小坂幸美さん、福屋さん、久米裕梨子さん、優秀賞を受賞した千嶌健太さん

法政大学人間環境学部の長谷川直哉ゼミからは2組が入賞した。左から、最優秀賞を受賞した小坂幸美さん、福屋さん、久米裕梨子さん、優秀賞を受賞した千嶌健太さん

同アワードの最優秀賞には、「男女の対等なパートナーシップを築く組織がサステナブルな社会をつくる」と主張した、法政大学人間環境学部3年の福屋実希子さんらチームが輝いた。登壇した福屋さんは、男女共同参画を実現するのは、「株主・経営陣の意識改革が必須」と話した。

次席には、高崎経済大学地域政策学部4年の圷陽太郎さんが選ばれた。圷さんは、「単純に女性活用を推進するだけでは、『にわかダイバーシティ』と批評し、多様な人材を内包し、社員の創造性を社会的課題の解決に生かせるような環境をつくるべき」と主張した。

同アワードでは、「ダイバーシティ(多様性)」「ワークライフバランス」「インクルージョン(包摂)」などをキーワードに、大学生・院生に男女の視点を盛り合わせた「男女共同参画」を考えてもらうことを狙った。

住友理工は2014年10月に東海ゴム工業から社名変更した。これを機に、女性社員を含めた全社で、働きがい・働きやすさの面で本当の意味でのリーディングカンパニーを目指し、同アワードを立ち上げた。

同アワードでは、最優秀賞、次席、優秀賞(3組)、審査員特別賞(2組)が選ばれた。審査員は、河口真理子・大和総研調査本部主席研究員(審査委員長)、大西祥世・立命館大学法学部教授、田村太郎・一般財団法人ダイバーシティ研究所代表理事、戸成司朗・住友理工CSR・社会貢献室長、森摂・オルタナ編集長の5人が務めた。

審査委員長の河口真理子・大和総研調査本部主席研究員は、「若者が共感する社会人像が変わってきている」と見る。「これまでは、高収入の職種に就き、大きな家を買うようなことに憧れを抱いていたが、今では、仕事で得たスキルを社会的課題の解決に生かすような働き方に共感するはず」とし、企業経営の中心にCSR(企業の社会的責任)の考えを置くべきと話した。

受賞論文は、住友理工学生小論文アワードの公式サイトで閲覧できる。

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