若者と政治をつなげる活動を行うNPO法人YouthCreate(ユースクリエイト)代表の原田謙介さんは、「政治について若年層に関心を持ってもらうためには、生きた政治を学校で教えるべき」と話す。日本では1969年から、高校生の政治活動を禁止してきた。来年夏の参院選から18歳選挙権が施行される見込みのなか、「学校現場でどう政治を取り扱うのか」議論としてあがっている。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

若者と政治をつなげる活動を行うYouthCreate代表の原田さん

若者と政治をつなげる活動を行うYouthCreate代表の原田さん

18歳以上が有権者になるにあたって、学校現場からは「政治の教え方」について戸惑いの声が出ている。先生は、中立性を持って生徒たちに政治を教えなくてはならないためだ。

ユースクリエイトの原田さんは、「住んでいる街の課題について、生徒たちに議論させることから始めるべき」と言う。原田さんは、授業でいきなりマニフェストを読ませるのではなく、「公園や施設の管理方法、ゴミ問題、空き家問題などの地方政治から取り扱うべき。そうして、自分の中での政治的意見を養ってほしい」と話す。

「政治」よりも「社会」について考えてほしいという真意を、「政治は社会のあり方を定める要素が大きいが、政治家だけで社会を良くしていくものではない。まずは、社会の一員であることに気付いてほしい」と説明する。

原田さんは、学生時代から若者と政治をつなげる活動を行ってきた。ネット選挙の解禁にも貢献し、18歳選挙権について、国会の参考人としても招致された。NPOの代表として、若者への政治啓発活動を行う一方で、月に3回は住んでいる中野区のゴミ拾いも行っている。

原田さんは活動を通して、政治に影響を及ぼしてきたことから、「自分たちも、動けば変えられる」ということを発信している。

文科省は高校生の政治活動を禁止してきたが、18歳選挙権の施行に合わせて、一部緩和する見込みだ。これまで、若者と政治の距離を遠ざけていた規制が緩和されることで、この流れを現場で生かす方法を見つけることが急務の課題だ。

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