田村市は震災翌日の2011年3月12日に、福島第一原発の影響により、市の一部が計画的避難区域に指定された。しかし、翌年には、都路地区を皮切りに、全域で避難が解除された。
田村市では、ひまわりを植えて町おこしを行うひまわりプロジェクトやウォーキングマップを元にみんなでウォーキングをし、ふるさとの再発見につなげる取り組みが行われている。そして、収穫祭、イルミネーション、ママトーク会、民泊を受け入れるグリーンツーリズムなど様々な企画が運営されている。中でもつるし雛は田村市の代表的な風物詩だ。
これほど多くのイベントが行われているのには、UDCTという存在が大きく影響している。UDCT(Urban Design Center Tamura)田村地域デザインセンターとは、震災以前から存在する街づくりの研究機関である。公・民・学が連携をし、地域のシンクタンクとして活動をしている。
震災後どのように街づくりを進めてきたのか、センター長の鈴木さんに取材を行った。「都路地区が一番初めに避難解除になった。田村がトップランナーだと思う。放射線量が下がったのも何かの使命。ピンチはチャンス。田村市から原発事故を乗り越えて誇りを持てる地域になりたい」と、地方小都市のモデルをめざしている。