私たち学生(学生による被災地支援のための市民メディアプロジェクト支局=内田夏帆・須郷佳菜・武蔵大学社会学部メディア社会学科2年)は6月、まちづくりぜぇねを訪れた。今回は、被災地における地域コミュニティの視点から、その地域が抱える問題や活動に関して取材した。
「まちづくりぜぇね」は理事長である小林悦子さんが娘と立ち上げた団体である。小林さんは元建築士であり、地域開発としてショッピングセンター設立をする際の調査に携わった。
しかしこの地域は、団地の空き家の増加や住民の高齢化などによる問題を多く抱えていた。そこで小林さんが、出店するお店と地域住民の共存、交流のために何かできることはないかと考え立ち上げたのが、無料で地域を巡回し、ショッピングセンターとを結ぶ「くるくるバス」の活動をはじめとする、この「まちづくりぜぇね」なのである。
震災当時の様子を小林さんはこう語る。「震災当時、バスは通常通り運行していたのだけど、ガソリンがなくなってしまったので二日お休みをいただいて、小さいバスを融資で走らせていただいたんですよ。そのあとは私の乗用車で一人暮らしの方のお宅にお水を届けに回ったり、必要なものを買いに行ったりしました。お年寄りの方々はやはり、余震もありましたから怖がって外に出てこれなかった。そういう方々にはお声掛けをしたりもしましたし。あとはバスの運行の再開に合わせてみなさん近況を報告しあったりして。やはり、三日目からバスを動かすことができて、それは本当に良かったと思うんです」。