ビル総合メンテナンスのベル(大阪府東大阪市)が「第7回 日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の審査委員会特別賞に選ばれた。社会的地位が低いと見られがちなビルメンテ業界で、社員に誇りを持って働いてもらい、仕事の心構えと技術を高める好循環を生み出す取り組みが認められた。社員を大切にするユニークな制度を紹介する。(オルタナS関西支局長=神崎 英徳)

ビルの総合メンテナンスを手掛けるベル

清掃や衛生管理、設備保守などビルの総合メンテを手がけるベルのミッションは「和を大切にし、人と建物を明るく元気にすること」。転職離職率は実質ゼロ。業界のみならず、他業種を含めた企業の中でも特異な存在だ。

同社はミッションを実現するために、「仕事を通じて、働く人を幸せにする」ことと掲げ、誕生祝いや表彰式、健康維持のための整体、社員の家族向けに社内報を発行するなど、ユニークな制度を持つ。

春には花見、夏は無人島で海遊びを行う。12月24・25日の2日間は、クリーンキーパー(清掃スタッフ)のなかで小学生以下の子どもがいる家をサンタクロースに扮(ふん)して訪ねる。

認められ、大切にされることで誇りが生まれ、高レベルのサービスにつながるという。教育訓練にかける時間を勤務時間の10%と多くとっている人材育成体制にも特徴を持つ。

これらの取り組みで、実際に「そこまでするか!」「さすがプロ!」と言われる感動レベルのサービスが生まれ、顧客に選ばれることで収益アップにもつながっている。

「日本でいちばん大切にしたい会社」は黒字経営であることや、障がい者雇用率が法定雇用率以上であることなど、過去5年以上にわたって5つの条件を満たす団体から選定される。第7回には85団体が応募し、17団体が選ばれた。

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