チャリティウォークを行うのは、日本ネパール友好センター(ネパール)代表のディリップ・シュナールさん。今年、日本人の妻と子どもを日本に残し、日本とネパールの友好センターを立ち上げるためにネパールに帰国した。現地での友好センター建設に向けて活動が本格化する際に、被災した。
旅を通じてシュナールさんは実際に日本が体験した二つの大きな震災の被災地を自らの足で訪ね、日本の人々と向き合って自らの体験を語ることで、報道では流れてこないネパールの現状を伝える。
「子どもたちとの交流を大切にしたい。ネパールと比較して豊かに恵まれた教育を受けた日本の子どもたちと、大きな地震を体験した日本、ネパールの両国の未来をともにつくり上げたい」とシュナールさんは力を込める。
ネパール大地震後、シュナールさんは、自らの居住地であるポカラからおよそ300km離れた山岳地帯ネパールのシンドゥパルチョーク地区という集落で復興支援をしてきた。この地区では地震により人口の8割の尊い命が奪われ、最も被害が大きいといわれているにもかかわらず、整備された道も無く徒歩でしか立ち入ることができない。
首都カトマンズからも2日以上かかり、国際的な支援もほとんど届かない。「最も悲惨な地域に、支援が速やかに届くべき」とも語るシュナールさん自らが、今回の行程917kmを単独徒歩で巡り、現地とともに歩んでいることを改めて自身の心に刻むつもりだ。