――このイベントの目的は。
松浦:住民が健康で元気な街をつくるために何が大切か。それを子どもたちに考えてもらうのが狙いです。当日までに4回の「子ども会議」を行い、やってみたい仕事や役割を話し合いました。そのなかで議論になったのは、「街に病院は必要か」。例えば、お化け屋敷屋は人間を驚かせることで元気にできると考え、病院がなくても様々な仕事によって健康で元気な街をつくることができるという結論を導いたのです。仕事が街でどのような役割を果たしているのかを考えるきっかけにもなりました。
――子どもたちがつくる街のエピソードは。
松浦:社長役の子どもがボーナスで従業員のモチベーションを高めたエピソードです。ある男の子が1人で運送業の会社を立ち上げました。従業員を2人雇い、3人で営業を行いましたが、仕事の依頼は来ません。そんななか、社長自ら雑貨店へ営業に行って取引先の獲得に成功すると、仕事は増え、会社は業績を伸ばしました。従業員たちは起業は大変だと疲れ果てていましたが、伸びた業績で出た売り上げの一部が社長からボーナスとして支給されると、「起業は楽しい」とたちまち笑顔になりました。自分で仕事をつくり出し、継続する難しさを学ぶことができたと思います。
――イベントを通して伝えたいことは。
松浦:子どもも大人もこれからの社会において、世の中は変えていけるという勇気を持つことの大切さです。働くことが社会を考えるきっかけになります。子ども同士で話し合ったり、商品を売り込んだりする経験は、子どもが大人になった時に勇気を振り絞って一歩前に進む動機付けにもなると思います。働く子どもたちの姿を見て、大人も改めて働く意味を考えるきっかけとなれば嬉しいです。これからも未来の担い手となる子どもたちが元気で明るい社会を作っていけるよう挑戦し続けます。
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