消費者庁は、人や社会に配慮した消費行動への関心の高まりを受け、今年5月に「倫理的消費」調査研究会を設立した。同会は、山本良一・東京大学名誉教授が座長で、そのほかにエシカルの有識者が27人いる。会議は、2カ月に1回程度行い、倫理的消費の必要性・範囲・基準について話し合っている。
山本良一氏は、「(倫理は)個人の思想、信条、価値観と混同して考えてしまいがちなので、委員の間で、国民に分かりやすい表現をどうするかで慎重に検討している」と話す。
日本には、フェアトレードやオーガニックの認証機関があるが、エシカルの認証機関はない。もともとエシカルという言葉は、直訳すると「倫理的な」という意味の形容詞であり、社会に良いとされている行為の総称として使われている。そのため、フェアトレードもオーガニックも、そして、個人のゴミ拾いも企業の国際協力活動も「エシカル」の一言で言えてしまう。