「おーい、まぁ座って茶でも飲もう!」――スーク(商店街)まで家から片道10分強。しかし、買い物から帰ったら2時間経っていたなんてことはしょっちゅうだ。店々で引っ張りだこで、あっちの店やらこっちの店やらに連れて行かれ、僕がなぜここに居るのか、なんてことを話ながら、砂糖たっぷりの紅茶をご馳走になる。道中にある雑貨屋さん(食物や洗剤などが手に入る)に寄ったら、電話番号の交換をすることになって、その日の晩に電話がかかってきて、お茶を一緒にしたりもする。(オルタナS特派員=中野 貴行)

有意義に活動していくためにもアラビア語の習得は必須

有意義に活動していくためにもアラビア語の習得は必須

アラビア語を習い始めて4ヶ月。日本の訓練所で2ヶ月間「フスハー」(=20数カ国の共通語。主に書き言葉で、聖典クルアーンで書かれているような言葉)を学び、首都ダマスカスでシリアの「アンミーヤ」(=国や地方ごとに異なる話し言葉)を座学で1ヶ月。

そのアンミーヤを使って、ここマンベジ市で一ヶ月住んでいるのだが、僕のアラビア語が本当に未熟である。しかし、活動するにあたって、言葉ができなければどうしようもない。と、いうわけで「Study on the Road」と称して、目標としては毎日、誰か町の人と適当に話すことを決めた。

ある日。ダマスカスまでのバスの時間を、バス会社の事務所に聞きに言った。すると、まぁ座っていきな、と紅茶をご馳走になった。テレビでベイルートからの中継でヒズボラの幹部が演説している前で、のんきに身の上を話す(ヒズボラはレバノンの親シリア政党。2008年5月上旬にレバノン内で親米派のレバノン政府と武力衝突した)。

1 2 3 4