欧米では、ハチミツは食べるだけでなく、感染症の予防や口腔ケア、認知症予防など医療・介護の現場で使われており、総消費量は日本に比べて2倍から10倍と高い。また、ミツバチは植物の受粉を担っており、アインシュタインは「もしミツバチが地球からいなくなったら、人間は4年以上生きることができない」と生態系を維持する役割の重要性を指摘している。

今回のコンテストの狙いは、ハチミツへの興味関心を高めることで養蜂家を元気づけ、さらに、医療・介護現場での利用促進や、地域の生態系の回復といった養蜂の可能性を広く知らしめることにある。

全国の「はちみつマイスター」や養蜂家から国内外のハチミツ52種類が推薦され、テイスティング審査を通過した5品が最終審査会に臨んだ。江上料理学院学院長の江上栄子氏や洋菓子教室「トロワ・スール」主宰の木村幸子氏など、ハチミツに造詣の深い6人の審査員が「ハニー・オブ・ザ・イヤー」に選んだのは、リアルフード・ドット・ジェイピーが販売する「レザーウッドハニー」だった。

レザーウッドハニーは、世界で一番空気が綺麗な地域とされるオーストラリアのタスマニア島で作られるハチミツだ。レザーウッドはタスマニア島西部にしか育たない低木樹であり、採蜜できるようになるまで100年以上の歳月を要すると言われている。試食した審査員は「『食べる香水』と言われる通り、心地よい幸せが長く残る」「お花のコンフィチュールのよう」「良い女になれるハチミツ」と絶賛していた。

受賞したリアルフード・ドット・ジェイピー代表の高橋昭江氏は、「子どものアレルギーで食に興味を持ち、たまたま出会ったタスマニアのハチミツに衝撃を受けたことが、事業を始めたきっかけです。このハチミツは家族を健康に、幸せにする力があると感じ、一人でも多くの方に伝えようと、8年前から販売を続けてきました。大変なこともありましたが、続けてきて良かったです」と涙ながらに感激を伝えていた。

コンテスト終了後、日本はちみつマイスター協会理事の山口正人氏は、「養蜂が産業として成り立っていけば、その地域の環境保全だけでなく、雇用も生まれます。私たちはこれから、伊豆大島で採れたハチミツで特産品を作るプロジェクトを始めるのですが、皆さんもハチミツを好きになることで、その地域をより豊かにできる可能性がある事に気付いてください」と話した。

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