おわんもお皿も、溝に指がフィットする形で、持ちやすい。楽膳の代表でデザイナーである大竹愛希さんは、溝の深さをどのくらいにすれば最も持ちやすいのか、障がい者に何度も聞いたという。その結果、「障がい者だけでなく、みんなに使いやすい、ユニバーサルデザインになった」と話す。
毎年ルームスには通ってきたが、筆者が感じるのはエシカルの多様さ。エシカルの概念からは遠かった、セクシーさを持つINHEELS(インヒールズ)を筆頭に、それぞれの色のエシカルを表現していた。
帰りがけ、2012年から日本でエシカルファッションを推進するファッションスタイリストの竹村伊央さんにも会った。竹村さんは、「エシカルは業界内では認知され、大手企業もこぞってエシカルファッションに取り組むようになった」と時代の変化を語る。エシカルをさらに盛り上げていくためには、「エシカルの定義を定めることよりも、マーケティングに力を入れていくことが大切」と言う。
「エシカルファッションだと環境にどの程度負荷をかけているのか、エシカルではないファッションと、明確に数字で比べられれば見方も変わる」(竹村さん)。