巧みな話術で糸井さんの考えを引き出した川島さん

巧みな話術で糸井さんの考えを引き出した川島さん

ほぼ日手帳の製作のなかで生まれたたくさんのストーリー、手帳を使う一人ひとりのストーリー、全てのライフが積み重なっていくことで、ほぼ日手帳のブランドが確立されていった。

「マルクス主義では、商品の価値は、何人が何時間かけたかで計られる。しかし、モノの価値ってもっと分かりづらいものだと思う」と糸井さんは強調する。

「企業では、効率化や合理化していくことが必要だけれど、そこでなければできないよねってことかどうかに面白さを感じる。商品の本当に面白いところは、不普遍化できないところや分かっていないところにあると思う」

最近では、商品がヒットすると、さまざまなメディアや評論家から、なぜ売れたかがすぐに分析される。そうすればできたかのように、後で結果をたどっている。けれど、マーケティングで分かるのは半分で、もう半分の実際にブランドを継続できたかなどの研究は難しい。

未来のビジネスには、簡単に真似できるような工業製品よりも、一人ひとりのライフを丁寧に積み重ねていく商品が増えていき、普遍化できないブランドができていくことで、少し明るい未来につながるだろう。

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