うつ病を抱える人の再就職訓練施設が東京市ヶ谷に5月、開設される。ここでは、障がい手帳を取得せず、うつ病を明かした上での就職も選択肢の一つに入れている。

「ストーリーボード」という体感発見型ゲームワーク中の様子


この訓練施設の運営は、うつ病患者の復職・再就職支援を展開するリヴァ(東京・豊島)。昨年6月に開設したうつ病患者の復職支援施設では、今まで20人の復職を支援した実績を持つ。

今回新たに開設した施設は再就職に特化している。面接ロールプレイングや履歴書・職務経歴書のグループレビュー、企業実習の斡旋やうつ病を開示できる求人紹介などを行う。就職後、6か月間の職場定着支援も行う。

現状のうつ病からの再就職は、うつ病であることを伏せての就職が一般的である。その場合、配慮がなく職場からのプレッシャーもかかりやすいので、うつ病が再発しやすい環境になるという。

現在、リヴァでは、再就職支援に特化した新しい施設で想定してるグループは3つ。寛解しているため症状をあえて開示しないで就職する非開示のグループ、障がい手帳を使った障がい者雇用を目指すグループ、障がい手帳を取得せずにうつ病を開示しての就職を目指すグループ。そして、新しい選択肢となりうる開示を希望する方のための求人企業の開拓を始めている。

リヴァの広報担当松浦秀俊さん(29)は「一般的に、うつ病からの再就職は、障がい手帳を取得せずに、うつ病であることを伏せていた。しかし、障がい手帳を取得せずに、あえてうつ病を明かすことで、職場から配慮され、働きやすい環境の企業に出会える仕組みを構築して、その方の強みを生かしていけるようにしていきたい」と話す。(オルタナS副編集長=池田真隆)



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