Climate Youth Japan&COY11 Tokyo2015実行委員会は11月26日から28日にかけて、12月にパリで開かれるCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)に合わせて、世界中のユース(18~30歳)と気候変動について話し合う国際イベントを都内で行う。COP21に関連するユース向けイベントは、東アジア、カナダ、インド、そしてパリで開催され、東アジア地域のイベントを日本が担当する。イベントでは、健康と気候変動の関係性について研究した学問「プラネタリーヘルス」などを学び、ユースたちでマニフェストを作成する。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

昨年開催されたCOY10、世界各地から集まったユースで気候変動について話し合った

昨年開催されたCOY10、世界各地から集まったユースで気候変動について話し合った

同委員会が主催するイベントの名称は、「Conference of Youth11 Tokyo2015」(COY11)。現在参加者は募集中だが、確定しているのは、日本、中国、ベトナム、アメリカ、ロシア、フランス、ナイジェリアなど17カ国のユースたち。定員は100人で、3日間をかけて、気候変動について学ぶ。

COYは2005年以来、毎年COPの直前に開催されてきた。開催する目的は、3つある。1つは、気候変動問題の認知度を高めること、そして2つ目は、ユースの声を集約し、COPの本会議に届けること、そして、世界中のユースのネットワーク化である。

東京でのCOY11は、カナダやインドなど他の地域で集まっているユースともスカイプでつなぎ、議論しながら、東アジアユースとしてのマニュフェストを作成する。そして、プログラムの最終日には、都内で行われる街頭行進「アースパレード2015」に参加する。同パレードは世界各地で企画されており、日本でのパレードには、一般市民やNGOだけでなく、プレミアムアイスクリームブランドのベン&ジェリーズなど企業も参加を呼びかけている。

COYのプログラムには、健康と気候変動の関係性についての学問「プラネタリーヘルス」に関するセミナーがある。気候変動は目に見えづらく、理解することが難しい。そこで、人々の日々の生活が、気候変動に与える影響について考えてもらう。

このセミナーの講師を務めるのは、名古屋大学医学部3年の久保田彩乃さん。久保田さんは、「人が何を食べるのか、何を消費するのかで、環境に与える影響について説明したい」と話す。

久保田さんは、台風被害を受けた地域にボランティア活動で行き、現場を見ることで、この異常な水害は人間の生産活動によって起きたものだと感じるようになる。この問題意識を周囲に伝えたくて、名古屋でセミナーを主宰してきた。セミナーで話すことは、「プラネタリーヘルス」についてで、医学を学んでいる強みを生かした。

プラネタリーヘルスについて講義する久保田さん(右)とパリで開催されるCOY11に参加する内藤さん

プラネタリーヘルスについて講義する久保田さん(右)とパリで開催されるCOY11に参加する内藤さん

今年のCOP21では、京都議定書に続く気候変動対策の新たな枠組みであるSDGsについての採択が予定されており、国際交渉において重要な年だ。COP21が開催されるパリでは、世界中から約1000人のユースが集まるという。

日本からパリのCOY11に参加する予定の内藤秀治さん(横浜国立大学理工学部4年)は、「SDGsは先進国だけでなく、すべての国が参加することがポイント」とし、「そもそも気候変動は、将来世代の問題でもある。世界中のユースで話し合った意見が反映されれば」と意気込む。

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