日本では薄毛や抜け毛で悩んでいる人の数は1200万人以上と推定されている。国民病とされる高血圧(4000万人)、糖尿病(2000万人)に迫る勢いだ。薄毛の医学的な定義はないため、自分が「禿げている」と思ってしまうと、人目を気にして、外出を控えるようになり精神的にも病んでしまう。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

MO混合型タイプ29歳

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AGA(Androgenic Alopecia)、男性型脱毛症のことを指す。若年性(10~30歳代)と壮年性(40歳代~)があり、頭髪の軟毛化に由来する脱毛症である。AGAになる原因は、不規則な生活やストレスなどがある。

医学的に薄毛は定義されていないが、一度「禿げているかもしれない」と自分で思ってしまうと、人の視線を気にするようになる。風の強い日に出かけることを嫌になったり、禿げている部分を見られたくないために、新幹線や飛行機では後部座席に座る人もいるという。

「薄毛」の実態は把握されておらず、医学的にも認められていないのに、「自分は髪の毛がない」と思い込んでしまうことで、日々の生活に支障をきたし、それがストレスになる。この思い込みは、薄毛だけでなく、メタボ体質や老化にもいえる。

このような被害妄想になってしまった場合、どのように対処していけばよいのか。『病はケから 老けない体と心の作り方』(幻冬舎)の著者メンズヘルスクリニック東京の小林一広院長は、薄毛で悩む理由について、「自分で確認できないから不安になる」と言う。

被害妄想に陥ってしまった人は、相手から「薄くなったんじゃない」と言われることで、その不安感は一気に倍増する。しかし、実はそこまで髪の毛が抜けていない人もいる。そのような人には、小林院長は、「木を見て、森を見ずになっていませんか?あなたに本当に不足しているのは髪の毛ではなく、自信ですよ」と語りかける。

小林院長は、「慰めなんていらないと怒られるかもしれませんが」と前置きしたうえで、「薄毛は個性」と言い切る。日本特有のムラ社会原理が、薄毛で悩む人の背景にあるという。「顔は一人ひとり違うのだから、頭髪の状態も違って当たり前」。

メンズヘルスクリニック東京は、男性のエイジングケアをサポートするクリニック。同クリニックは聖マリアンナ医科大学とアンファーと共同で、「AGA リスク遺伝子検査(AGA関連遺伝子発現量の測定)」を開発した。今後、この検査の被験者の毛髪状況を調査し、AGA発症のリスク判定を行えるようにしていく。

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