「関わっている人が良くも悪くも真面目すぎる。エシカルに興味がない人からすると『自分とは価値観が全く違う人たち』と映ってしまい、裾野を広げられない大きな要因になっている」――脱・真面目なエシカルファッションを掲げるエッセイストはこう指摘する。そのエッセイストは、ジェニファーという名前で、その他の素性は明らかにされていない。今年から執筆を始め、コアなファンから支持を得ている。(オルタナS副編集長=池田 真隆)
ジャ二ファーが執筆しているのは、「午前0時のハイヒール -HONNE no Ethical by Jennifer」。ファッションブランドINHEELS(インヒールズ)が運営しており、「エシカルファッションのイメージを180°変える」というコンセプトを持つ。
ジェニファーがこのエッセイを書き始めた動機は、「もっと不良っぽいエシカルのあり方を提案したいから」だと言う。「現状、エシカルに関わっている方は、社会貢献欲の高い方が多い」とし、そのこと自体は「とても素晴らしいことだと思う」とする一方で、「多くの人がそのレベルにまで達するのは難しいし正解でもないと思う」と主張する。
「もっと気まぐれなエシカルがあってもいい。ファーストフードに行った後にゴミ拾いボランティアに参加してもいいし、ハロウィンでバカ騒ぎするけど着てる洋服はオーガニックコットン、そんな人がいてもいいのではないか。そんな価値観を提示したくて、このプロジェクトを行っています」(ジェニファー)
ジェニファーはエシカルファッションをPRしているが、かつては、エシカルやエコとは無縁の生活を送っていた。「自分の幸せのためにモノをたくさん消費することは自然なことだと思うが、個人の幸せの追求だけでは、その人の人生はやっぱりどこか空しいし、社会に対してなにかちょっとした貢献をするのはとても健全だとも思う。学校でも有名な不良が気まぐれにこっそり捨て猫を助けるみたいな、チグハグな優しさを提案していきたいです」と語る。
現在、クラウドファンディングで、そのエッセイ集を書籍化するための費用を集めている。目標金額は60万円で、2月中旬まで募集する。
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