武蔵大学社会学部メディア社会学科松本ゼミの学生はこのほど、「18歳選挙権」に関するトークイベントを開催した。今夏、選挙権年齢が18歳に引き下げられる法案が成立し、10代の若者が選挙へ参加することが可能になった。この法案は投票率アップにつながるのか。また、若者は政治参加についてどう考えているのか。武蔵大学の1,2年生を対象に行われた「18歳選挙権や若者の政治参加に対する意識や認識について」のアンケート調査の結果を交えながら議論した。(学生による被災地支援のための市民メディアプロジェクト支局=太田 絵梨香・武蔵大学社会学部メディア社会学科2年)

トークイベントに登壇した、NPO法人YouthCreate代表の原田さん(写真右)、(株)VoiceJapan代表取締役の高橋さん

トークイベントに登壇した、NPO法人YouthCreate代表の原田さん(写真右)、(株)VoiceJapan代表取締役の高橋さん

トークイベントは、NPO法人YoutuCreate代表であり、学生団体ivoteを立ち上げた原田謙介さん、VoiceJapan代表で、武蔵大学非常勤講師である高橋茂さんをゲストに迎えた。司会は松本ゼミ3年・西浩平と、2年・内田夏帆が担当した。

イベントの前半では、世間でも話題となっている学生団体「SEALDs」(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)の活動や、アンケート調査の結果を基に、今の若者の政治への関心などに焦点を置き、議論を深めた。18歳選挙権により、選挙率の低下が問題視されている日本の選挙に変化は起きるのかなどについても意見を交えた。

後半には、現在下がりつつある選挙の投票率を上げる方法や、若者が選挙に興味を持つには何が必要か、などといったこれからの日本の政治社会について、司会やゲストだけでなく、観客も交えてトークディスカッションを行った。

イベントでは、「どうすれば来年度の参議院選挙で多くの若者が選挙に行くと思うか」というテーマでの話し合いも行われた。同じ質問をアンケート調査で学生にも行ってみたところ、「見返りを与える」、「投票を義務化する」などといった意見が多く挙げられた。しかしこれらの意見に対し、会場からは「そもそも選挙に投票することは国民の大切な権利の1つである」といった反対の声も挙げられた。

「若い人たちはやっと今、声をあげることができる環境にある、ということを意識してほしい」と高橋さんはトークイベントの最後にそう語った。原田さんも「昔とは違い、今はインターネットという武器がある。その事実を意識して、意見や疑問を持ったら積極的に発信してほしい」と続けた。

今回のトークイベントを通じて、筆者もこれからの政治参加への意識と、自らが声をあげることの大切さを改めて勉強させられた。政治に関心がないと思っている学生にこそ、このようなトークイベントに参加し、政治を考える1つのきっかけになってほしいと思う。

[showwhatsnew]