「優しい人」と聞いて思い浮かぶのは、どのような人の姿だろうか。困っている友達に声をかける人。身体が不自由なお年寄りに手を差し伸べる人。ここで、ベジタリアンやビーガン*の姿が頭に浮かんだ人はどれだけいるだろうか。一見分かりにくい、「食」と「優しさ」の繋がり。先日、この繋がりを肌で感じられるイベントに出会った。その名は、「Vegfest」。ビーガンのライフスタイルを奨励するイベントである。イギリスのブライトンで、二日間にわたって開催された。(早稲田大学高野ゼミ支局=米山 知奈津・早稲田大学国際教養学部2年)

様々なビーガンフードにトライする来客達

様々なビーガンフードにトライする来客達

トーク、ドキュメンタリー映画、教師向けガイダンス、子供向け料理教室、料理の実演。様々なアクティビティが行われていた。出店も数多くあり、ビーガンフードを楽しみつつ、他の来客と食生活についての会話を楽しめる機会もあった。たくさんのベジタリアンやビーガンに出会い、話を聴くことが出来た。動物を大切にしたいから、環境を大切にしたいから、自分と家族の健康を大切にしたいから。ベジタリアンやビーガンである理由は様々であった。

二日間のアクティビティの中で特に印象に残ったのが、「Cowspircy」と「Unity」という2つの映画である。前者は、今日の畜産業が多大なる環境破壊や地球温暖化を引き起こしている事実に目を向ける。畜肉の消費を控えることが、地球の持続可能性に繋がるのだと教えてくれる。一方後者は、今日の家畜の多くが、どれだけ過酷な環境の中で一生を過ごし、どれだけ残酷な方法で殺されているかをあらわにする。冷酷な産業構造の中に自身が組み込まれていることを知らずにいる人、あるいは忘れてしまっている人の目を覚ましてくれる。

ビーガンレシピの研究家によるトーク

ビーガンレシピの研究家によるトーク

「Vegfest」には、優しい人達で溢れていた。人に優しく、動物に優しく、地球にも優しい人。食のスタイルを少し変えるだけで、人の優しさが二倍にも三倍にも広がるのを感じた。

*ビーガン-一切の動物性製品の使用を衣食住において避ける人

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