学生団体SEALDs(シールズ)のドキュメンタリー「わたしの自由について~SEALDs 2015~」が5月14日から、東京・渋谷アップリンクで公開される。同映画では、昨年夏に国会議事堂前で行われた安保法案反対デモの裏側を収録した。シールズの学生メンバー一人ひとりに密着した青春群像となっている。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

社会現象を巻き起こしたシールズのデモ活動

社会現象を巻き起こしたシールズのデモ活動

シールズとは、「Students Emergency Action for Liberal Democracy-s」の略で、正式名称は、自由と民主主義のための学生緊急行動。昨年の5月3日に立ち上がり、毎週金曜日に、国会議事堂前などで、安全保障関連法案に反対するデモを主催していた。ラップ調のコールや活動の様子を収めた動画が、若者を中心にSNSで拡散され、デモには12万人(主催者発表)もの人が集まった。

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このドキュメンタリーの撮影期間は2015年5月から11月まで。デモ本番以外にも、MTGやデモの準備風景を時系列に収めている。撮影中、シールズのメンバー3人に密着して、思いを聞き出した。   

監督は、西原孝至さん(29)。大学院を中退し、映像制作の道に進み、「情熱大陸」(TBS系)などのドキュメンタリー作品にもかかわってきた。西原さんがシールズを知ったのは2015年春。それまで、デモのような社会運動には参加したことがなかった。きっかけは、偶然ツイッターで市民が撮影したシールズのデモの動画を見たこと。このとき、直感で「この運動は撮っておくべき」と感じたという。

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カメラを持ってデモに行くと、シールズメンバーそれぞれの個性に惹かれた。「デモに行く前は、過激な人なのかと思っていたが、話してみると、それぞれが考えを持っていた」。

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西原さんは約半年シールズを撮り続け、「良い意味で社会運動に命をかけていない印象を受けた」と言う。「本気だが、まず第一に自分の人生を大事にして、かかわれる範囲で、無理なく運動を続けている。彼らはどこにでもいる大学生で、バイトを理由に、大事な日にデモに来れない人もいた。身の周りの生活や、隣にいる大切な人を守りたいという動機から動いている。新しい社会運動の形だと思った」。

監督を務めた西原さん

監督を務めた西原さん

このドキュメンタリーは政権批判の作品ではなく、社会現象を巻き起こした大学生たちの心情を描いた「青春群像」に近い。シールズは今夏の参院選で解散予定。西原さんは、「シールズに期待する時期は終わった」とし、「この映画を通して、一人ひとりが自由について考えて、行動してくれれば」と思いを話した。

・「わたしの自由について~SEALDs 2015~」の公式サイトはこちら

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