早稲田大学高野ゼミ支局は、おにぎりを通して、生産者と近づく企画を行った。この企画では、同支局は、新潟県栃窪のお米でつくったおにぎりを1個100円で販売した。おにぎりの購入者は、栃窪の田んぼのプチオーナーになれると呼びかけた。(早稲田大学高野ゼミ支局=千葉友也・早稲田大学社会科学部3年)

晴天の下、田んぼに。田んぼに住む生き物たちも気持ちよさそうに泳いでいた

晴天の下、田んぼに。田んぼに住む生き物たちも気持ちよさそうに泳いでいた

100人で100円を出し合い、新潟県の田んぼのプチオーナーになろう――同支局では4月中旬に、早稲田大学周辺のコワーキングスペースで、新潟県産の「とちくぼパノラマ米」からつくったおにぎりを1個100円で販売した。おにぎりの購入者は、新潟県栃窪にある田んぼのプチオーナーになれると呼びかけた。プチオーナーになれば、田植えや草刈り、稲刈りを体験できるほか、農家から、田んぼの状況をメールで知らせてもらえる。

3日間販売し、実際に100人は集まらなかったが、購入者をコミュニティ化し、5月21~22日、同支局は田んぼのオーナーたちと一緒に、栃窪へ田植えをしに行った。1日目は、自然散策を中心に行い、カエルなど自然に触れた。そして、お米の作り方について、座学で学んだ。

「苗半作」という格言がある。苗作りが最も大切で、一度始めたら、取り換えが効かないという意味だ。農家は自然と一生をかけて対話し、美味しさ(=美)を追求する。その姿は、まさに職人そのもの。「お米作りへの姿勢は純粋にかっこよく、尊敬した」(松岡沙生・早稲田大学高野ゼミ支局)。

2日目に、いよいよ田植えを行った。朝4時に起床し、朝日の温かさを感じながら、素足で栃窪の田んぼに入った。

もともと、この企画が始まったのは、昨年7月。同支局は新潟県南魚沼市で開催された「第8回棚田草刈りアート日本選手権大会」に出場した。大会では、特別賞を受賞し、「とちくぼパノラマ米」を30kgもらった。当初、このパノラマ米を参加メンバーで分けてしまおうという選択肢もあったが、新たな発見と出会いを求めてこの企画を行うことにした。おにぎりの販売会場はGARAGE WASEDA。早稲田大学から徒歩3分ということもあり、お昼時に早稲田大学の学生が集まった。

素材の味を生かすため、味付けは塩のみ。さまざまな顔がお出迎え

素材の味を生かすため、味付けは塩のみ。さまざまな顔がお出迎え

栃窪から早稲田。そして早稲田から栃窪へ。おにぎりから生まれたストーリーには、新しい出会いと発見が盛り込まれている。

・草刈りアート日本選手権の様子はこちら
とちくぼパノラマ米

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