住友理工は6月25日、「第2回住友理工 学生小論文アワード表彰式」を開いた。小論文のテーマは、「真のグローバル企業とは─こんな会社で働きたい」。全国の大学・大学院生から106本の小論文が応募されたなか、最優秀賞には、企業理念の重要性を主張した東京大学大学院修士1年の高橋祐人さんが輝いた。 (NPO新聞=辻 陽一郎 オルタナS副編集長=池田 真隆)

賞を受賞した7名 撮影:高橋慎一

賞を受賞した7名 撮影:高橋慎一

同アワードでは、グローバル企業のあるべき姿について、企業組織論、CSRなどの論点から論文を募集した。2016年1月15日から4月15日まで小論文を受け付けたところ、全国の大学・大学院生から106本が応募された。最優秀賞の高橋さんの小論文では、グローバル企業は、企業理念に、社会的課題の解決を置くべきと断言。グローバル経済下で行われるべき企業活動は、世界全体のパレート効率性の向上に貢献するものとし、そのためには、高い技術力とグローバルな情報活用が重要だと主張した。

高橋さんは受賞のあいさつで「小論文は1年間iPledge(アイプレッジ)というNPOで活動してきたことを元に書いた。活動の成果をまとめ、発信することができたことが嬉しい」と喜びの声を伝えた。「大学院では海のシミュレーションを研究している。今後は研究を通して社会に役立つことをしていきたい」と将来への意気込みも述べた。

最優秀次席には、神戸大学3年の藤田このむさんが選ばれた。藤田さんは、グローバル企業は、多様性を柱に沿えるべきと展開した。貧困家庭の高校生を対象に、全寮制の寮で3年間研修させ、人材育成するというプランを提案した。

優秀賞には3人が選ばれた。1人目は、早稲田大学3年の井上はるかさん。井上さんは、グローバル化が加速しているからこそ、「心のグローバル化」を心がけるべきとした。2人目は、北海道大学3年の金川聖也さん。金川さんは、納税マインドを持つことが、グローバル企業が果たすべき責任とした。

3人目は、慶応義塾大学大学院2年の鎌田安里紗さん。鎌田さんは、サプライチェーンへの倫理的配慮を強く持つため、企業に属する個人の「共感力」を高めるべきと提案した。
 
今回は審査員特別賞が特別に設けられ、2人が選ばれた。1人目は、法政大学大学院1年の森翔人さん。2人目は、2016年3月に立教大学を卒業した城宝薫さん。

審査では、一次審査で、106本から10本に絞った。その中で惜しくも入賞を逃したが、椙山女学園大学3年の熊澤有里さんは、若者に海外で働く意欲を持たせるミッション型のインターンシップを提案した。青山学院大学3年の増田里奈さんは、貧困を解決するためのグローバル企業の責任について述べた。東
京大学4年の吉川慶彦さんは、企業内起業の促進を訴えた。

住友理工の松井徹代表取締役社長兼COOは、受賞した7名に向けて、「このアワードは未来を担う若者たちを応援する事業として昨年誕生した。これからさらに広い世界を見ていってほしい。住友理工もグローバル企業としてこんな会社で働きたいと思われるように努めていきたい」とメッセージを伝えた。

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