日本経済新聞社は6月27日、第4回日経ソーシャルイニシアチブ大賞の表彰式を開いた。大賞には、認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンが輝いた。同団体は、2011年に犬・猫の殺処分が全国ワーストワンだった広島県に犬舎や譲渡センターを設け、16年4月以降、殺処分対象の犬を同県の施設からすべて引き取った功績が評価された。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

大賞を受賞したピースウィンズ・ジャパン代表理事の大西さん

大賞を受賞したピースウィンズ・ジャパン代表理事の大西さん

日経ソーシャルイニシアチブ大賞は、社会的課題を事業で解決するソーシャルビジネスを表彰するもの。大賞に選ばれたピースウィンズ・ジャパンの大西健丞代表理事は、「欧米のメガNPOを追いかけ過ぎていた。活動する地域に最適な支援の仕組みを考えていくことこそ大切」とスピーチした。

同団体は国際協力NGOとして、多くの国で難民・被災者支援を行ってきた。13年9月、広島県の犬の殺処分を1000日以内でゼロにする計画「ピースワンコ・ジャパン」を発表した。600頭規模の犬舎を建設するなど、精力的に活動を行った。16年4月以降、殺処分対象の犬を県の施設からすべて引き取り、かつて殺処分数が全国ワーストワンだった広島県の社会的課題を解決した。

国内部門賞には、ITでの手話サービスを提供するシュアール、国際部門賞には、児童労働問題にアプローチする認定NPO法人ACE、企業部門賞には、アフリカのウガンダで手洗い運動を行うサラヤが選ばれた。

賞の受賞者、特別賞として国連WFP日本大使の知花くららさん(中央)が選ばれた

賞の受賞者、特別賞として国連WFP日本大使の知花くららさん(中央)が選ばれた

■孤立無業者の自立支援も

地域賞に選ばれたのは、長野県の認定NPO法人侍学園スクオーラ・今人。同団体では、孤立無業(SNEP)状態にある人々の支援を行う。SNEPとは、20~59歳で未婚かつ無業、同居家族以外との交流がない人のことを指す。「共育」という理念を掲げ、オルタナティブスクールを運営している。

【第4回日経ソーシャルイニシアチブ大賞】
大賞:認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン
国内部門賞:シュアール
国際部門賞:認定NPO法人ACE
企業部門賞:サラヤ
地域賞:認定NPO法人侍学園スクオーラ・今人
新人賞:NPO法人虹色ダイバーシティ
クリエイティブ賞:NPO法人インターナショクナル

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