今年4月に発生した熊本地震では、長引く余震から「屋内が怖い」と車中泊をする被災者が急増。それに伴い、エコノミークラス症候群になる被災者が相次ぎ、死亡例も確認された。震災で一命を取り留めても、エコノミークラス症候群で命を危険にさらす可能性がある。そこで注目を集めたのが、エコノミークラス症候群の予防に効果的とされる弾圧ストッキングやソックスだ。(オルタナS関西支局特派員=近藤 浩己)
今回の熊本地震では、さまざまな医療機関や企業が避難者に弾圧ストッキングを配布している。コンプレッションウェア(※)ブランド「COMPRESSPORT (コンプレスポーツ)」の正規代理店、CS ジャパン(大阪市)も、同症候群の予防効果がある弾圧ソックス 100 ペアを熊本県宇城市に寄付し、予防を促した。
同社が寄付したのは、COMPRESSPORT の「フルソックス」というふくらはぎから足裏にかけ着圧のあるソックス。ふくらはぎから足裏にかけ圧を与えることで心臓に戻る静脈血の流れを活発にし、全身の血液循環をサポートする。スポーツ時の筋肉疲労を抑えるために販売された商品だが、エールフランス航空ではエコノミークラス症候群の予防アイテムとして採用されている。
こうした背景を受け、政府は「車中泊避難」の指針を検討。国を挙げてエコノミークラス症候群の予防に向けて動き出した。 今回の寄付は、そんな動きを後押しした民間の取り組みの一つ。担当者は「弾圧ストッキングは、適正サイズを着用してこそ高い効果を発揮する。とはいえ、 避難生活の中で正しいサイズの弾圧ストッキングを入手するのは困難。いざというときのために、身体に合ったものを 1 着備えておいてもらえれば」としている。
※コンプレッションウェア=身体に圧を与えて筋肉の振動を抑え、疲労を軽減 させることでパフォーマンスを向上させるウェア
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